CLT木材使用推進メディア ~CLTs~

 

日本林業の起爆剤
CLT木材

 

国⼟の7割が森林である⽇本。森林大国日本の林業をSDGs、持続可能な社会への貢献、地⽅経済の活性化など、さまざまな点から推進する可能性を持つのが「CLT木材」という新しい木材。このサイトではそんなCLT⽊材についてと低コスト‧⾼品質なCLT⽊材を製造販売するメーカーを紹介しています。

そもそもCLT木材とは

集成材イメージ 合板イメージ CLTイメージ

CLT木材とはCross Laminated Timber(JASでは直交集成板)を略語で、ひき板(ラミナ)を並べ繊維が直交するように接着した木質パネル材のことです。強度と品質が均一化され、中・大規模建築物の壁や床などの構造材として使用したり、土木用材や木製家具にも活用されています。似た言葉に集成材がありますが、こちらは厚板を繊維方向に平行に重ねて接合してつくられてるため、厳密には別物となります。オーストリアで開発が進められた木材で、その後イギリスやスイス、イタリアといったヨーロッパ、アメリカ、オセアニアと幅広い地域で普及していき、耐久性や低コスト化の実現といったメリットから今日にいたるまで、さまざまな建築物に活用されてきました。日本でも2013年には製造規格となるJASが制定されました。その後2016年にはCLT関連の建築基準法告示が公布・施行されるなど、一般利用も可能になるなどの動きを見せています。製材メーカーをはじめ建築施工業者、工務店での取り入れも進んでおり、普段目にする建築物でも使用されています。

しかし、まだヨーロッパ・アメリカといった諸外国とのCLTに関する技術、意識には開きがあります。外国ではCLT木材を用いた10階以上の高層建築物も建てる計画が進むなど、鉄筋コンクリートからの代替資材として注目を集めています。豊富な山林資源を有する日本としても、あらたな資源活用の方法に目を向け活用できるようになることが重要なミッションと言えるでしょう。

CLT木材を製造・販売するメーカー一覧

高品質・低コストを叶える
CLT木材製造・
販売メーカー2選

木材のみ購入したいなら

サイプレス・スナダヤ
サイプレス・スナダヤの特徴
  • CLT木材の自社一貫生産による中間コスト削減で、低コストでの供給を実現
  • 品質の高いヒノキ材の販路を持っており、ヒノキCLT木材の価格・品質に自信あり

設計から依頼したいなら

銘建工業
銘建工業の特徴
  • 設計・製造・施工までワンストップで対応できる有名建材メーカー
  • 3×12mの最大サイズCLT木材の製造にも対応可能
※日本CLT協会が発表する「CLT製造企業一覧表」に掲載される国内のJAS規格に適合するCLT木材メーカー8社の中から、年間製造能力の上位2社(2022年1月11日調査時点)を選出しました。

サイプレス・スナダヤ

サイプレス・スナダヤ公式HP
引用元:サイプレス・スナダヤ公式HP
(https://www.sunadaya.co.jp/)

材木商として明治時代に創業。現在は愛媛県を中心に集成材やCLTなどの質材料の製造に徹した体制を組んでおり、充実した工場と新しい設備により大量生産が可能になっています。

サイプレス・スナダヤの
CLT木材について
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山佐木材

山佐木材公式HP
引用元:山佐木材公式HP
(https://woodist.jimdo.com/)

構造用集成材の製造で優れた実績を持つメーカーです。製材から加工、仕上げまで一貫した生産体制で、現在は大型木造建築やCLT木材の利用ノウハウの提供まで行っています。

山佐木材の
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鳥取CLT

鳥取CLT公式HP
引用元:鳥取CLT公式HP
(https://www.tottoriclt.co.jp/)

形態は協同組合ですが、集成材・CLTの製造・販売を行うメーカーとして事業展開しています。三層構造のパネル集成材を中心に大壁仕様の高品質CLT木材も提供しています。

鳥取CLTの
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西北ブライウッド

西北ブライウッド公式HP
引用元:西北ブライウッド公式HP
(https://www.seihoku.gr.jp/seihoku-plywood/)

徹底した品質管理で70年近く木質建材の生産を続けてきたメーカー。4つの工場で対応し、LVL製造ノウハウを活用し中・大規模建築物向けCLT木材を提供しています。

西北ブライウッドの
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中東

中東公式HP
引用元:中東公式HP
(https://chuto.jp/)

石川県を拠点に全国の文化・教育施設で実績がある会社です。大断面集成材建築をメインに成材・CLTの製造販売や設計、施工まで対応。アジア各国にも事業展開しています。

中東の
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オホーツクウッドピア

オホーツクウッドピア公式HP
引用元:オホーツクウッドピア公式HP
(https://okhotsk-woodpia.or.jp/)

北海道産の植林木を原料とした建築材を提供しているメーカーです。中断面・大断面集成材など加工を主体として、北海道だけでなく本州からのオーダーも受け付けています。

オホーツクウッドピアの
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ティンバラム

ティンバラム公式HP
引用元:ティンバラム公式HP
(https://timberam.co.jp/)

構造用集成材やCLT木材を取り扱う秋田県のメーカーです。先端的なプレス機を整備しCLTを含む多くの集成材に対応。デジタル技術を駆使し高精度加工を実現しています。

ティンバラムの
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株式会社スカイ

株式会社スカイ公式HP
引用元:株式会社スカイ公式HP
(https://www.skygroup.jp/)

伝統技術と機械加工を組み合わせて、住宅資材を構造計算から特殊加工、施工までに対応している会社です。一級建築事務所や施工管理、特殊加工専門の職人までを自社で提供しており、CLT木材については大判サイズの加工にも対応。中判サイズは当社比で最大50%の施工時間短縮を可能としています。

株式会社スカイの
CLT木材について
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志田材木店

志田材木店公式HP
引用元:志田材木店公式HP
(https://www.shida-lbr.co.jp/)

志田材木店は木造建築を専門に請け負う会社であり、新潟県内でいち早くCLT加工機を導入した実績をもっています。イタリア・ユニチーム社やドイツ・フンデガー社製の加工機を用いて、CLT木材や集成材の製造販売を行っています。地元産の良質な杉・ブナ材のほか、北米など海外の木材も取り扱っています。

志田材木店の
CLT木材について
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ジャパン建材

ジャパン建材公式HP
引用元:ジャパン建材公式HP
(https://www.jkenzai.co.jp/)

ジャパン建材は「快適で豊かな住環境の創造」を理念として、戸建住宅向けから公共施設・商業施設など幅広い木質構造建築を手掛けている会社です。生産した構造部材の施工も請け負っており、プライベートブランドの展開や建材フェアの実施など、CLT木材を含む良質な住宅資材の普及に取り組んでいます。

ジャパン建材の
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MECインダストリー

MECインダストリー公式HP
引用元:MECインダストリー公式HP
( https://www.mec-industry.com/)

鹿児島県に本社を構える企業で、三菱地所グループの一員です。原木を丸太に加工し、製材・製造に至るまでの過程で発生するバークやおが粉などを有効に活用することに力を入れています。CLT木材を製造し、建材として販売も実施。

MECインダストリーの
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銘建工業

銘建工業公式HP

70年代から集成材の生産をスタート。集成材の機械と併用することでCLTの生産量を確保しており、CLTの製造や販売だけでなく設計・施工まで広範囲に相談に応じます。

銘建工業の
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CLT木材の基礎知識

CLT木材の使い方

CLT木材とは、横に並べられたラミナ(ひき板)に繊維が直交するように接着した木質パネル材のこと。強度が高く品質が均一化されている利点を活かし、住宅の壁や床、土木用材、木製家具など、幅広い木造製作物に活用されています。

また、柱や梁などに使用する「線材」とは異なり、CLT木材は工場で完成品まで加工して現場ですぐに使うことが可能。強度の高いパネル形状の木材なので、RC造のような面で支える建築にも使うことができます。
日本では法令基準があって不可能ですが、欧米ではCLT木材を使用した10階建て以上の高層建築物も誕生しています。

CLT木材のメリット・デメリット

CLT木材のメリットを表した画像

日本ではまだ流通量・取引量が少ない木材のため、建築コストが高くなってしまう点がデメリットですが、ほかに目立ったデメリットはありません。
一方、メリットとしては、他の一般的な木材に比べて工期が短くなること。工場でCLTパネルを作ってから建築現場へ運ぶため、現場での作業負担が軽減されるからです。

また、デザイン性の高い凹凸のある建物も作ることができること、コンクリートの1/5程度という軽さを備えていること、建材として向いていない木もCLT木材の素材にできること、断熱性能に優れていることなども、CT木材のメリットと考えて良いでしょう。

CLTの補助金について

国ではCLT木材の普及を積極的に推進していますが、推進活動の一環として、CLT木材の普及に資する活動を行う事業者に対し各種の補助金制度を設定しています。

CLTの補助金制度に特に積極的な省庁が林野庁。「JAS構造材利用拡大事業」「木質耐火部材等利用拡大事業」「CLT建築実証事業」は、CLT木材の普及も目的とした林野庁主導の補助金制度です。

国土交通省が行う「サステナブル建築物等先導事業」の補助金にも、CLT木材普及の趣旨が含まれています。

集成材とCLT木材の違い

集成材とは、複数のラミナ(引き板)の繊維方向を揃えた状態で重ね、接着剤で貼り合わせた木材のこと。構造用と造作用の2種類があり、構造用は住宅の柱や梁などに、造作用は住宅の内装や家具などに用いられています。

一方でCLT木材とは、複数のラミナ(引き板)の繊維方向が互い違いになる要領(直交)で重ね、接着剤で貼り合わせた木材のこと。1枚目は繊維が横方向、2枚目は繊維が縦方向、3枚目は繊維が横方向…、という具合に、横と縦を交互に重ねて作ります。
一見、似たような木材に見えますが、集成材に比べ、CLT木材のほうが強度が高いことも大きな違いです。

CLT・LVL・NLT・DLTの違い

CLTとは、引き板の繊維方向が直交するように重ねて接着させた木材。直交集成材とも言われます。LVLとは、単板の繊維方向に水平に重ねて接着させた木材。単板積層材とも言われます。NLTとは、引き板をアルミ製の釘で繋ぎ合わせた木材。釘接合集成板とも言われます。DLTとは、接着剤も釘も使用せず、木ダボで接合させた木材です。

いずれの木材も、一見して同じように見えますが、板の重ね方や接合方法などの違いにより、強度やデザインの可変性が異なります。それぞれの木材の一長一短を理解し、目的に合った木材を選ぶことが大切です。

CLT木材の歴史

CLT木材の歴史を表した画像

CLT木材のアイディア自体が生まれたとされるのが、1990年代のドイツ。その後、1995年にオーストリアでアイディアが実際に製品化され、その技術はイギリスやイタリアなどヨーロッパ一円に拡大しました。
のち、アメリカやカナダ、オーストリアにも普及。その強度の高さが注目され、高層建築物にも採用されるようになりました。日本でCLT木材の生産が始まったのは2009~2010年頃と言われています。ただし、生産が始まってからすぐに国内に拡大したわけではありません。拡大するきっかけとなったのは、2013年のJAS規格の制定と、2016年のCLT木材に関する建築基準法広告。法令の整備や技術向上が進めば、さらに国内にCLT木材が拡大していくことでしょう。

CLT木材の日本農林規格(JAS)

2013年12月、CLT木材を対象とした日本農林規格(JAS)が制定されました。日本農林規格とは、林産物などに関する国の品質規格のこと。規格を満たすことで、高品質であることを国が認証する「JASマーク」を表示することが可能となります。

CLT木材の日本農林規格が制定された背景には、品質・強度の確かな建築資材への需要増加があると言われています。建築基準法の改正によって木造による中・大規模建築物の建築が可能になったことから、CLT木材への需要が高まったことが背景にあるようです。

海外におけるCLT木材の活用

1995年にオーストリアで生産が始まったCLT木材ですが、以後、その強度やデザインの汎用性が注目され、2022年現在では欧米のあらゆる国々でCLT木材を使用した建築物が作られています。

たとえば、2009年にロンドンで完成した「Murray Grove」。CLT木材を使用した9階建ての高層住宅です。一般的なRCの場合、工期に72週間はかかる建築物ですが、短工期を特徴とするCLTにより49週間で完成へと至りました。
また、ウィーン郊外にある商業施設「G3 Shopping Resort Gerasdorf」は、8,000立方メートルものCLT木材が使用された建築物として有名です。

CLT木材の減価償却はどうなるの?

高額な資産の購入費用を法定耐用年数に分けて費用計上する減価償却。CLT木材を使った建物も高額な資産の一種となるため、もちろん減価償却の対象となります。

ただし、いかに強度の高いCLT木材を使った建築物とは言え、ジャンルは従来の「木造建築物」に属します。木造建築物の法定耐用年数は22年。つまり、CLT木材を使った建築物の減価償却期間は22年ということになるでしょう。
ちなみに鉄筋コンクリート造の減価償却期間は47年、重量鉄骨造のそれは34年となっています。

CLT木材が日本の林業や森林を救う

日本の林業の衰退が深刻化しています。昭和30年代には木材の自給率が9割以上だった日本ですが、令和の現代では実に2~3割まで低下(※)。残りの7~8割は、輸入木材に頼っているということになります。

一方で日本は、国土面積の約67%が森林。世界有数の森林大国と言われています。日本の資産とも言える森林を、国内市場で有効活用しないわけにはいきません。
そこで注目されているのがCLT木材。法律の改正などを足がかりに、CLT木材の用途が大きく拡大しています。日本の林業や森林を救うのは、CLT木材の需要増かもしれません。

※参照:林野庁「木材需給表」(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuzai_zyukyu/

CLT木材の断熱性

CLT木材は「多孔質材料」。「多孔質」とは微細な穴が無数に存在しているという意味ですが、穴の中には空気が含まれているため、「多孔質」の素材は熱伝導性が低くなります。熱伝導性が低いとは、言い換えれば断熱性が高いということです。

なお日本政府は、2013年から2030年までの17年間において、各種事業者に対して約40%のエネルギー消費削減を求めています。エネルギー削減のための有効な方法は、冷暖房の使用量を抑えること。断熱性の高いCLT木材は、政府の推進するエネルギー消費削減に大きく貢献するかもしれません。

CLT木材の塗装について

屋内の柱や梁などで見られるように、木材に塗装をせず、あえて表面に見せるようにする仕上げ方を「現し」と言います。日本の伝統美にも通じる「現し」ですが、エクステリアなどの屋外の木材を「現し」とすると、風雨や紫外線などの影響で木材が劣化するので要注意。屋外に木材のエクステリア等を設置する際には、塗装を施すことが一般的と考えてください。

CLT木材の場合は、無垢材に比べれば屋外環境に強いと考えられますが、引き板の接合部や端などでは断面があらわになっているため、それらの部分から雨水などが入り込まないよう、十分な塗装をすることが望ましいでしょう。

CLT木材普及にある課題

CLT木材の抱える課題を表した画像

今後ますますの普及が期待されるCLT木材ですが、現実として、普及を阻むいくつかの課題があることは否めません。課題とは、CLT木材そのものの品質的・技術的な課題ではなく、CLT木材を扱う業者側における課題です。

日本でCLT木材の生産が本格化し始めてから、2022年現在、まだ数年しか経っていません。建築業者においては、CLT木材の取り扱い経験が不足しています。設計の反映のさせ方、予算の問題、調達方法の未共有、施工後に想定されるトラブルの不透明性、維持・メンテナンスにおける理解不足等々。
今後、国内の建築実例が増えていくことで、少しずつ課題が解決に向かっていくことでしょう。

大スパンに採用できるCLT

これまで、構造設計などの問題から、木造建築による大スパンは難しいとされてきました。しかし、木造建築における技術開発の進歩やCLTをはじめとした大断面集成材によって、大スパンが実現できるようになりました。

また、CLTパネル工法を使えば、10mを超えるスパンも確保可能です。木造建築で広々とした空間を実現したい、大規模な施設で間口を大きくとりたいといった場合は、CLTの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

CLTも関わってくるZEB

CLT木材は耐震性や断熱性、遮音性、耐久性に優れていることから、省エネ・創エネによるゼロ・エネルギーを実現する建物、「ZEB(ゼブ)」の建築にも活用されています。

また、経済産業省をはじめとする日本政府は、ZEB普及と同時に国産の木材需要を高めるため、建築にCLT木材を採用すると、国から補助や助成金を受けられる制度を設けています。建物のZEB化を検討されている方は、制度について知っておき有効利用できるようにしておきましょう。

CLTが雨で受ける影響

CLTは複数の木材を重ね合わせた構造のため、雨に強いという訳ではありません。雨に当たり続ければ、木材の中まで水が浸水してしまうでしょう。そのため撥水剤を塗布する対策が重要になってきます。

また木材ならではの反りも起こりやすいため、割れなどの対策も欠かせません。しっかりと対策を講じることで、雨が降られたときにも浸水することを防ぐ効果が期待できるでしょう。日本では毎年のように洪水などの雨被害が数多く発生しているので、雨対策は必要不可欠と言えます。

CLTの壁倍率は?

CLTパネルは耐久性が高く、建築物の強度を高めることも可能です。実際に壁倍率3.3倍や、5倍を実現しているCLTパネルもあり、いずれも国土交通大臣の認定を取得しています。設計によっては、鉄骨造やコンクリート造のような強度と安全性を実現できる可能性があります。

一方、CLTパネルは木材と接着剤で構成されているため、軽量である点も見逃せません。基本的に構造計算が不要になりますので、設計や施工のハードルを下げることが可能です。

屋根にも活用できるCLT

CLTは耐力壁として採用したり、床に使用したりする建築物が多数を占めています。一方、風雨にさらされる屋根にCLTパネルを活用することも可能です。香南市の子育て支援センターでは、実際にCLTを接合することによって折板屋根を実現しています。また、野地板や仕上げをCLTで代用しており、大きな空間を確保しているのもポイントです。

なお、屋根への適用が可能なCLTパネルも販売されています。ただし、積層部の剥離が起こる可能性が指摘されているため注意しましょう。

CLT木材を建築物に使用するメリット

CLT木材は板材を繊維が直交するように積層接着しているため、壁パネル単体でも耐震性は高いですが、厚みのあるCLT床パネルと組み合わせることでさらに強固になります。

湿度20%以下に乾燥させてから接着するため強度と建材としての安定性が高いです。また金具が腐食する可能性は低く、防腐防蟻の塗布により耐久性が向上するとされています。

日本ではメーカーが少なく普及の初期段階なので製造コストは高めになりますが、工場で加工されて現場ですぐに作業できるため工期が短縮し人件費を下げる効果が期待できます。

木材なので燃えますが鉄骨と比べ熱伝導率が低く、CLTのような木材厚板は火災になってもにすぐに燃え広がることはなく、1時間以上経っても燃え尽きることはありません。

建築物の木造化は地球温暖化防止と森林保護の立場からSDGsに大きく寄与します。CLT木材は耐震・耐久性が高く「11 住み続けられるまちづくりを」に貢献します。

CLT木材を活用した中・大規模木造建築は林業の振興や森林資源循環に寄与。木材の使用量が多いため脱炭素への貢献度が高くなり、ESG投資の観点からも評価が上がります。

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CLT木材は木の材質感を演出するために構造材を見える状態で仕上げる”あらわし”で使用するケースも多く建材としての機能だけでなく内装デザインに広がりを持たせることが可能。そうした建築事例を紹介します。

CLT木材の樹の種類

本州北部から九州まで日本では広範囲に分布。真っ直ぐに伸び木目も直線的で加工がしやすいため建築材に適しています。成長が早く軽量なので古くから植林が盛んに行われました。

針葉樹の中で特に優れている木材と言われ、古来から寺社建築など高級建材として使われてきました。耐久性が高く、色や年輪も美しいため造作材や家具材としても使用されます。

スギとヒノキを使用して製材されたものです。それぞれの良い部分を引き出せるため高品質なCLT木材が完成。コストが高いヒノキにスギを合わせ価格を抑えることもできます。

日本では主に寒冷地に分布。スギよりも硬く針葉樹ですが秋には落葉します。辺材は黄白色で肌目は粗く割れやすいですが、技術の進歩により近年は建材にも利用されています。

北海道地方に分布し、道内総蓄積の約4分の1、針葉樹蓄積の約2分の1を占めます。白く見た目が良いので柱や梁に用いられ、CLT活用のための研究や試験が進められています。

CLT木材を活用した建築物事例

脱炭素やSDGsなどの動きに合わせ日本でもCLT木材を使ったビルの木造化・木質化が進んでいます。国内や海外でハイブリッド工法による大型木造ビル建築事例があります。

地域振興や脱炭素を掲げ、主にゼネコンなどの建設会社がマンションの木造化プロジェクトを進行中です。海外では1階より上をすべて木造化した集合住宅の建築事例もあります。

脱炭素・循環型社会の実現に向け商業施設の木造化も拡大しています。日本では小規模のものが多いですが、海外では先進的デザインの大型ショッピングモールの事例もあります。

近年、体育館やスタジアムといった大型公共施設も木造化の波が来ています。日本では地域のシンボルにもなり、海外では大学内にCLT木材を使った体育館も建築されています。

社会福祉施設では、CLT木材の普及が進んでいるとはいえない状況です。しかし、少しずつではあるものの、施設で活用した事例が増えています。CLTが持つ木目を活かせば、木に囲まれたリラックスできる空間を生み出すことも可能です。

CLT木材は、さまざまな建築物に応用されていますが、近年では工場で採用するケースも見られます。主に導入されているのは、木材や集成材などの加工工場ですが、数週間の工期短縮を実現した事例もあります。

CLT木材は、資材などを保管する倉庫にも適しています。実際に倉庫でCLT木材を活用している事例は多く、大規模な空間を確保しているケースも見られます。また、CLT木材によって少コスト化を実現した会社もあります。

学校などの教育施設でも採用が進みつつあるCLT木材。CLT工法を用いた学校もすでに完成しており、今後も同様の事例が増加すると考えられます。一方、一部にCLT木材を使った校舎は全国にあるため、参考にできる点も多いのではないでしょうか。

CLT木材は、体育館や工場・倉庫などだけではなく、店舗でも活用が進んでいます。持ち帰り弁当のお店からコインランドリーまで幅広く、業態を問わずに活用されているのが特徴です。商店街の仮設店舗に採用したケースも見られます。

CLT木材の採用も進んでいる研究施設。二階建てのモデル棟から、多雪極寒地でCLT性能を実験するための棟など、複数の施設があります。2016年に建てられたものから2022年に建てられた施工事例についてまとめました。

暮らしの中に少しずつ浸透しているCLT。共同住宅では、広くCLTが活用されています。例えば、現し部分のデザインにCLTの木目を活かしたケースや天井や壁など、さまざまな部分に木材を活用しているケースも。アパートなどの建築を検討中なら、参考にできる点も多いのではないでしょうか。

CLTは建築物での活用が一般的です。しかし、施設によってはトイレにCLTを取り入れている場合もあります。CLTを用いたトイレは、利用者にリラックスしてもらえるよう、木目をそのまま使っているケースがいくつかあるようです。

バス停の構造は多種多様です。木造のバス停も少なくありませんが、中にはCLTを採用しているバス停もあります。CLTのバス停は、バスの待ち時間に木の風合いを見て楽しめるのが特徴です。中には広い空間を確保し、周囲の景色を楽しめるようにしているバス停もあります。

ホテルと言えば鉄筋コンクリートでつくられているケースが多くありましたが、近年ではCLT木材を使用するケースも増えつつあります。客室などの一部にCLTを活用し、利用客がリラックスできる空間づくりなどに役立てているようです。

出光興産株式会社は2022年高知県において日本初のCLTを利用したガソリンスタンドをオープンしており、環境配慮型のガソリンスタンドになっています。不燃木材を貼り合わせることで耐火性をアップするなどの対策を実施。

CLT木材を活用した工法と他工法を比較

鉄骨造のことです。軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分かれ安定した品質を確保でき、耐震性・耐久性に優れるのがメリット。高熱になると強度が落ちてしまうデメリットもあります。

鉄筋コンクリート造のこと。震性・耐火性・遮音性に優れ、劣化が起きにくいため耐用年数が長く設定されます。重量があり工期が長いので建築費用が高いのがデメリットです。

木材の関連情報

木材種類ごとの価格推移のほか、針葉樹・広葉樹の「見た目」ではなく「性質」の違い、そして木材に生じる反りや収縮などの理由などについてまとめました。

木材価格について考えるとき、現時点の価格だけでなく、これまでどういった価格変化を経て現在に至っているのかを把握することが大切です。木材の種類によって細かい状況は異なりますが、輸入価格の変化は国内価格にも少なからず影響を及ぼしていることがわかります。

一般的にではありますが、広葉樹は、針葉樹よりも重くて硬い性質をもつ樹種が多いです。細胞の構造が異なっているのがその理由です。そのため、木目についてもそれぞれ別の特徴があります。

金属などと比較すると、木材は温度や湿度などの環境変化にとても敏感です。保管場所などの環境変化次第では、簡単に木材が膨張したり収縮したり、あるいは反ったりします。ちなみに、収縮率は木材の方向によって異なります。

木材の部位には、白太や赤身といった種類があります。これらにはそれぞれ特徴や違いがあり、木材を扱ううえで避けては通れないポイントです。白太と赤身の違いを知っておけば、種類ごとに適した使い方が分かってくるでしょう。

木材には表面と裏面があり、表面を「木表」、裏面を「木裏」と呼びます。木表は明るい色味と加工・仕上げによる意匠性の高く、主に家具や床材に使用されているのが特徴です。一方で、木裏は木表よりも色が濃く、耐久性が高いなどの特徴を持ちます。

日本の建築業界も大きな打撃を受けたと言われる、世界中の木材が高騰したウッドショック。現在は落ち着いたと言われていますが、今後も影響を受ける可能性はあるのでしょうか。ウッドショックが起こった原因を解説しながら、今後の動向をまとめています。

2021年に改正された木材利用促進法について、従来との変更点や制定の目的についてまとめました。木材利用促進法に基づく補助金の概要や支給対象についても詳しく解説していますので、受給の対象になるかを確認してみてください。

木材を保護する役割を持つ塗装。建築木材の塗料の種類はさまざまですが、主に「塗膜型塗料」と「浸透型塗料」の2つに大別されます。それぞれの特性や仕上がり、塗装に適した場所を知っておくことで、木材の良さを最大限に活かせます。

森林や地域社会、労働者の環境など、さまざまな環境課題を守りながら適正に産出された木材に与えられるラベルです。FSC認証を得るにはコストがかかりますが、SDGsやエシカル消費につながることから、企業ブランディングや消費者へのアピールとして活用されています。

PEFCとは、ヨーロッパで発足された後、国際的な森林認証制度として発展した認証制度です。持続可能な森林管理のもとで生産された木材や製品の原料に認定されるラベルで、日本独自の制度であるSGECもPEFCへ加盟し、相互認証が行われています。

CoC認証とは、FM認証を受けた森林から産出された木材のトレーサビリティが確保された製品につけられる認証制度です。FM認証とCoC認証を得た製品は、FSC認証を受けFSCラベルをつけて製品を販売できるようになります。

木材がどこで生育されたのか、そしてどのような製造方法が採用されたのか、といった情報を追うことができる「木材のトレーサビリティ」。運用のガイドラインの設定やICタグを使った取り組みなどをおこなっている地域もあります。

木質バイオマスは、エネルギーやさまざまなマテリアルとして再利用できる大切な資源です。カーボンニュートラルであるところや循環型社会の実現につながるところなど、注目すべきポイントも少なくありません。ただし、発電効率の悪さや初期費用の高さなど、課題もいくつかあります。

工場内の設備を用いてCADのデータをもとに木材の加工を済ませた木材を、現場で組み立てていくプレカット工法。現場での作業量が減るため、工期の短縮や人件費カットにつながります。ただし、熟練の大工による、木材の個性を活かした加工をほどこすことは不可能です。

発注者やビルダーにとって、木材の品質がしっかりと表示されていることが安心材料のひとつになります。木材の含水率や強度などを正確に測定し、その結果を直接印字するなど品質表示することを、グレーディングといいます。

さまざまな種類の害虫が木材に寄生し、害などをおよぼす可能性があります。木材から害虫を駆除するため、熱処理や燻製処理などを施すことが必要です。そういった消毒方法には、国際基準も定められています。

針葉樹は、広葉樹と比較すると細胞密度が低いものが多いため、木材にしたときに傷がつきやすいという問題点があります。この問題を解消するために、熱・圧力を加えて圧縮加工する技術があります。このような加工された木材のことを、圧縮木材といいます。

地域材の利用は、地域経済の活性化や森林管理の促進など、多くの利点があります。また、補助金を受けられる制度や地域の活性化にもなります。一方で、安定した供給の難しさや納期の不安定さといった課題も存在します。

CNC技術は、木材加工を含む多くの分野で精度と効率を高める手法として注目されています。CNC技術を導入することで、製品の品質を均一に保ちつつ大量生産が可能になりますが、導入コストや準備の煩雑さなどの課題も存在します。これらの利点と課題を考慮して加工方法を選択することが成功の鍵となります。

サステナブル建築は、環境負荷を抑えながら、快適で利用しやすい空間を提供する建築を目指します。「地球」「地域」「生活」の3つの視点から成り立ち、それぞれにおいてCO2削減やエコマテリアルの使用、地域の気候や伝統への配慮、安全性や快適性の確保が必要です。

紫外線、塗料、風化が木材に与える影響について解説し、無垢材やCLTなど、木材の種類ごとの変色メカニズムを紹介します。また、変色を防ぐための具体的な対策や長期間木材の美しさを保つためのメンテナンスの重要性についてもまとめました。

高品質・低コストを叶える
CLT木材製造・販売メーカー2選

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サイプレス・スナダヤ
サイプレス・スナダヤの特徴
  • CLT⽊材の⾃社⼀貫⽣産による中間コスト削減で、低コストでの供給を実現
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