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ガソリンスタンドのCLT活用事例

ガソリンスタンドと言えばガソリンの匂いが充満し、あまり居心地の良い空間とは言えないでしょう。従来は鉄筋でつくられるケースも多く、木材を使用したケースはほとんどありませんでした。しかし2022年11月7日に日本で初のCLT木材を使用したガソリンスタンドがオープンしています。

このページではガソリンスタンドにてCLT木材を活用した事例を詳しくリサーチしたので、ぜひチェックしてください。

国内にCLTを使ったガソリンスタンドが誕生

出光興産株式会社が環境配慮型のサービスステーション「apollostation Type Green」を新たに展開するため、国内で初めて11月7日に高知県南国市で「スマートエコステーション南国バイパス」というCLT木材を用いたガソリンスタンドをオープンしました。そのあとも兵庫県神戸市北区に「スマートエコステーション鹿の子台」を展開し、CLT木材を用いたガソリンスタンドは増えつつあります。

Type Greenは国産の木材を用いたガソリンスタンドという特徴だけでなく、太陽光発電パネルをはじめEV急速充電器の設置など、循環型社会を実現するための環境配慮型のガソリンスタンドです。「車を降りて深呼吸しよう」というコンセプトになっており、従来のガソリンスタンドのイメージを払拭し、杉の香りに癒されながら給油や充電を行える空間となっています。

参照元:菅組

不燃木材を使用

ガソリンスタンドと言うと、どうしても火災のリスクが高い空間でもあります。そのため火災への対策を講じておく必要があるでしょう。そこで給油施設の屋根・建屋に活用したCLTに不燃木材を貼り合わせて建築。そのため消防法・建築基準法の基準にも適合したうえで建設が行われています。

参照元:内閣官房

CLTの耐火性

木材は燃えやすいと思い込んでいる方も多くいますが、実は木材は決して燃えやすいわけではありません。木が燃えると表面は炭化するため、耐火皮膜となり内部が燃えるスピードを抑えることができます。その特性を生かしてCLT建築でも燃えしろを計算したうえで、設計を実施。

鉄骨の建物が燃え続けたことで強度が落ちてしまい、10分ほどで倒壊したにもかかわらず、CLT木材を使用した建物では30分も倒壊することなく保っていたというデータもあるとのこと。つまり耐火性の面からもCLTは優れていると言えるでしょう。

環境配慮型のガソリンスタンド経営支援も行われている

都民の生活を支えるために欠かせないエネルギー供給拠点のガソリンスタンドに対して、エネルギー危機への対応や脱炭素化に向けた取り組みを加速したいという考えから、環境配慮型のマルチエネルギーステーションへ転換するための「環境配慮型設備の導入支援」を行っています。

たとえば「環境に配慮したエネルギーステーションづくりに向けた設備等導入支援事業」としての政策の対象者は都内でガソリンスタンドを経営する中小企業者で、専門家の派遣や助成金の支援などを実施。省エネ設備を導入するために要した設計費・設備費・工事費が助成の対象経費となり、助成対象経費の3分の2かつ上限額2500万円の助成金が受け取れます。

ほかにも「環境配慮型ガソリン計量機導入促進事業」なども用意されているので、条件を満たしているなら助成金の活用も検討してみてください。ただし事業には終了期間が定められているので、事前に事業が継続されているか、対象になるかどうかなどを確認しておきましょう。

参照元:東京都庁

2022年にはCLT難燃化塗料が大臣認定を取得

岡山市にある「ライフデザイン・カバヤ」で開発された難燃塗料「なんやねんCLTコート」が2022年11月8日付で国土交通大臣の認定を取得しました。この塗料は、構造躰体のCLTを仕上げる際に塗装するもので、「なんねんCLTコート」を塗布すれば準不燃材として認められるため、内装制限の条件を満たせます。

参照元:ライフデザインカバヤ

まとめ

CLT木材を活用したガソリンスタンドも建設され、木材ならではの美しい外観や杉の香りなど癒される空間を実現。不燃木材を貼り合わせるなどで耐火性も高めるなどの工夫がされています。

助成金のサポートなども受けられるケースもあるため、今後はCLTを活用したガソリンスタンドが増えると推測できるでしょう。

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