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ホテルへのCLT活用事例

一般的なホテルは鉄筋コンクリートで造られていますが、近年は木造でCLT木材を使用したり、一部に導入したりするケースも増加しています。もし宿泊施設の建築を検討中なら、CLT木材を採用してみてはいかがでしょうか。ここでは、CLT木材を利用したホテルの事例をご紹介します。

スパホテルあぶくま

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福島県西郷村にあるホテルでの活用事例です。CLTは外壁(帳壁)と界壁に使用されています。CLTを採用したことで外皮性能が向上し、大きなピクチャーウインドウの導入を可能にしています。これにより、部屋から阿武隈川の景観を堪能できるなど、新たな付加価値が生まれています。

なお、同ホテルはバイオマス発電や廃熱でエネルギーを賄う設計になっているのもポイント。環境に配慮したエコホテルで、ビジネスタイプやスイートルームなど多数の部屋を配置しています。

スパホテルあぶくまは、宿泊ニーズの増加に合わせてホテル棟を増築した経緯があります。その際に内装にCLTを採用したことで、温かみのあるインテリアを実現しました。客室の一部分にCLTの現しがあり、より自然を身近に堪能できるようにしているのが特徴です。これにより、利用者がリラックスできる空間を提供しています。

使用しているCLTは国産材で、環境省の「木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業」にも選ばれています。それぞれの客室には温度センサーも設置されており、木材の断熱性能効果の検証も行われています。なお、センサーは目立たない場所に配置するなど、利用者が気にせず客室で過ごせるよう配慮しています。

バイオマス発電などでエネルギーの効率を高めたり、CLTを内外装に使用したりと、さまざまなこだわりが見られるスパホテルあぶくま。ホテルは天然温泉も備えており、バイオマス発電による温熱環境システムを備えた宿泊施設として注目されているそうです。

参照元:パナソニック公式ページ(https://www2.panasonic.biz/jp/solution/hotel/works/spaHotel-abukuma.html

【基本情報】

竣工(予定日) 2018年11月
延床面積 1047.39m2
構造 鉄骨造(CLT利用)
使用したCLT 97.68m3
防耐火構造 耐火建築物

北川村温泉 ゆずの宿

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高知県にある温泉宿でのCLT活用事例です。こちらの宿は、CLT木材を活用した全国初の温泉宿とされています。CLT木材は壁や床、屋根などに使われています。

構造はCLTパネル工法ですが、一部をRC造の耐火建築物として分けており、準耐火が不要な規模に抑制しています。これにより、適切なコストでCLTの現しを可能にしました。

ロビーやレストランが集まる1階部分は、開放的な空間に仕上げているのも特徴。2階の宿泊壁を壁梁にすることで、1階部分の壁を少なくできるよう設計が工夫されています。

また、ウォールガーダー(壁梁)による長スパンの構造は、コストの面においてメリットをもたらします。CLTはコストが課題となりがちですが、長スパン構造によってCLTパネル工法を取り入れつつも、適性なコストで施工できるように工夫しています。一方でRC造の部分も内装を木質化するなど、CLT以外の部分においても木材を積極的に取り入れている姿勢が伺えます。

さらに木造建築物で課題となる遮音性は、CLTの床板の上部を二重構造にしたり、アスファルトマットやフローリングを重ね張りしたりする工夫を凝らしています。これにより、適切な遮音を可能にしています。

参照元:宮城県CLT等普及協議会[pdf](http://miyagi-clt.com/wp-content/uploads/2020/03/dcbab0768662c0cd3da955d23ab0aa81.pdf

主要な構造部分に取り入れているCLTや、他の部分で使用している木材は、積極的に北川村の村産材を活用するなど、木材の地産地消にこだわっています。このほか、温泉施設を地場産品の販路拡大や地域住民の活動拠点など、幅広く利用することを目指しているのも特徴です。

【基本情報】

竣工(予定日) 2018年5月
延床面積 1475.74m2
構造 CLTパネル工法
使用したCLT 404.39m3
防耐火構造 なし(一部RC造耐火建築物にて別棟)

ホテルサンライズCLT棟

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岡山県真庭市にあるホテルでの活用事例です。CLT木材は2階部分の床や屋根のほか、通路や客室の壁に採用されています。床や壁、屋根などは90mm厚のCLT木材で統一しています。また、2階部分の床と梁の間に緩衝材を配することで防音性を高め、足音が響きにくいように工夫してあります。

ホテル棟は木造で、軸組工法に対応したCLTを利用しています。客室の壁の一部は木目がそのまま活かされており、落ち着いた空間に仕上げられています。

【基本情報】

竣工(予定日) 2016年3月
延床面積 238.52m2
構造 木造(軸組工法CLT利用)
使用したCLT 57.22m3
防耐火構造 不明

ハウステンボス「変なホテル」2期棟

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長崎県の観光施設「ハウステンボス」にあるホテルでのCLT活用事例です。こちらのホテルはCLTパネル工法で建てられており、壁や床にCLT木材を使用しています。

使用している木材は九州産で、そのうち20%で地元長崎産の杉を採用しているとのこと。また、CLT工法を採用によって地元の林業へ寄与することも図っています。

参照元:日本CLT協会公式ページ(https://clta.jp/case/detail/ハウステンボス「変なホテル」2期棟/

【基本情報】

竣工(予定日) 2016年2月
延床面積 2049.71m2
構造 CLTパネル工法
使用したCLT 570m3
防耐火構造 不明

CLT木材を活用した建築を検討するなら

ホテルなどの宿泊施設では、CLT木材を採用して付加価値を生み出したり、地域の林業への貢献を企図したりするケースも見られます。しかし、本格的に導入するのであれば、CLTを使った建築物の設計に対応した業者を選ぶことが重要です。見積もりを取り、自社のニーズに合った依頼先を選ぶようにしましょう。

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