近年はCLT活用の促進が活性化しており、厚生労働省では都道府県などに対して、社会福祉施設の整備などにおいて、木材利用の促進に配慮するよう協力を求めています。
この記事では社会福祉施設へのCLT活用事例をまとめていますので、CLT活用の参考にしてください。
平成28年に都道府県や指定都市・中核市に対して厚生労働省が出した通知では、社会福祉施設等における木材の利用の促進及びCLTの活用に協力が求められました。また、通知に合わせて社会福祉施設などのCLT活用において活用可能な支援制度を整備しています。
CLT建築物は年々増加傾向にありますが、介護施設などでのCLT活用事例はまだ多くありません。社会福祉説などでCLTを活用することは、入所者や利用者へのリラックス効果やストレスの緩和、施設職員の疲労回復などに効果が期待されています。
今後はCLTの導入効果などを調査・把握し、CLT活用促進に向けて普及が図られる予定です。
木造軸組工法にCLTを活用した高齢者福祉施設です。1階が高齢者福祉施設、2階が寄宿舎として利用されています。CLTが使用されているのは、壁・床・高面材です。家具や造作材にも使用されており、全面的に活用されています。
施設の内部は木の温もりを感じられるデザインになっており、施設利用者や職員の心を癒してくれそうです。CLTサイズは壁が90(3層3プライ)×1,200×3,400mm、床が150(5層5プライ)×1,900×3,600mmとなっています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2016年5月 |
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延床面積 | 592.92m² |
構造 | 木造(軸組工法CLT利用) |
使用したCLT | 65.77m³ |
防耐火構造 | 記載なし |
児童福祉施設として建築された心の教育センターのCLT活用事例です。心の教育センターは3棟に分かれていて、中棟は軸組工法、東・西棟はCLTパネルを活用しています。東・西棟は長押し工法とCLTパネル工法を合わせた「CLT投押構法」で建てられているのが特徴的です。
CLTは1階から2階を通し、両側から2本の梁で挟んでいます。内装は床から壁・天井に至るまで全面的に木材が使用されており、リラックスできる空間に仕上がっています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2020年6月 |
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延床面積 | 805.52m² |
構造 | 木造(CLT1階~2階通し壁長押工法) |
使用したCLT | 99.28m³ |
防耐火構造 | 準耐火建築物 |
高齢者福祉施設の足寄町認知症高齢者グループホーム2では、各部屋の界壁にCLTが活用されています。配線などの自由度を高めるために各部屋の開口部CLT断面を現し、内装仕上げを行っています。
部屋は入居者が集まるリビングから見渡すことができる造りになっており、明るく開放的です。CLTサイズは最大で1000 x 2760 x 90㎜。CLTを利用した、木造軸組工法で建てられています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2019年3月 |
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延床面積 | 369.47m² |
構造 | 木造(軸組工法CLT利用) |
使用したCLT | 5.3m³ |
防耐火構造 | なし |
近年はCLT活用促進が活発に行われている影響もあり、社会福祉施設においてもCLT木材を活用した建築が行われています。しかし、CLT木材に対応できる業者は限られているため、CLT木材を活用した建築を検討する際は、対応できる業者を見つける必要があります。
依頼先を探すときは複数の業者で見積もりを取ったうえで、自社の要望や目的に合った依頼先を選ぶようにしましょう。
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