建築基準法の改正後、さまざまな建築物で取り入れられているCLT。しかし、活用方法でお悩みの会社も少なくないでしょう。このページでは、店舗でのCLTの活用事例を紹介しています。店舗建築への利用を検討中の会社は参考にして頂けたらと思います。
千葉県南房総市にある郵便局での活用事例です。屋根や天井、耐震壁のほか、造作家具にもCLT木材が使用されています。環境配慮型の郵便局の第1号として建築されており、循環型資源を積極的に使用する他、再生可能エネルギーの導入なども視野に入れているのが特徴。なお、軒天や内装の天井部分は木目がそのまま活かされ、筆記台やベンチも木の温もりが感じられるよう工夫を凝らしています。
また、外壁は千葉県産の木材から作成した焼き杉を導入するなど、CLT以外の木材を使用しているのもポイントです。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2022年2月 |
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延床面積 | 132m2 |
構造 | CLTパネル工法 |
使用したCLT | 51m3 |
防耐火構造 | その他 |
持ち帰り弁当チェーン店でのCLT木材活用事例です。CLTセルユニット工法という箱型木製ユニットを用いる工法が採用されています。CLTは天井や床、階段のほか、躯体に使用されているのが特徴。頑丈なCLTを躯体にも導入するなど、積極的に採用している事例ともいえます。
また、防火構造に対応させているのもポイントです。木造で防火構造の建築物検討中なら、参考にできる点も多いのではないでしょうか。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2022年3月 |
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延床面積 | 79.18m2 |
構造 | CLTパネル工法 |
使用したCLT | 24.16m3 |
防耐火構造 | 防火構造 |
熊本県人吉市のCLT活用事例です。2020年7月の集中豪雨で甚大な被害を受けた街の復興支援として、仮説の商店街の店舗をCLTで実現しています。建築には、工場で事前にユニット化したCLTの躯体を採用。外壁材には、耐久性と防火性を考慮したものを導入しています。
CLTは天井や床、壁のほか、躯体に使用されています。また、木材とセメントを組み合わせることで、独特の風合いを持つデザインに仕上げられています。月日とともに変化する建物の風合いを楽しめるのが特徴です。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2021年2月 |
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延床面積 | 73m2 |
構造 | CLTパネル工法 |
使用したCLT | 21.3m3 |
防耐火構造 | その他 |
岐阜県中津川市にある店舗での活用事例です。随所に木材が使用され、ナチュラルなデザインに仕上げられています。CLTは屋根の現し部分のほか、店内の一部家具にも使用されているのがポイント。屋根の現し部分のCLTは、中津川市産のヒノキが使われています。
天井や柱、カウンターなどは、木目や木の風合いがそのまま活かされており、店舗の雰囲気作りに寄与しています。なお、店舗は防火地域内にあるため、構造部分の現しに燃え代設計を行い、準耐火建築に対応させています。
日本を代表する樹種ヒノキの
特徴と
CLT木材への活用などを紹介
【基本情報】
竣工(予定日) | 2021年2月 |
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延床面積 | 98.41m2 |
構造 | 木造(軸組工法CLT利用) |
使用したCLT | 22.11m3 |
防耐火構造 | 準耐火建築物 |
三重県いなべ市にあるコインランドリーでのCLT活用事例です。コインランドリーの勾配天井の部分や、間仕切り壁にCLT木材が使われています。これにより、店内は明るく木の温もりが感じられる雰囲気に。天井の部分は杉、間仕切り壁にはヒノキを採用するなど、異なるCLT木材を組み合わせているのもポイントです。なお、コインランドリーにはエステや着物のリフォームショップも併設されており、温かみある雰囲気に仕上げられています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2020年3月 |
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延床面積 | 104.75m2 |
構造 | 木造(枠組壁工法CLT利用) |
使用したCLT | 14.5m3 |
防耐火構造 | 法22条/無 |
東京都渋谷区にある店舗のCLT活用事例です。鉄骨で造られたフレームをベースとして、床部分にCLT、外壁部分にALCが使用されています。また、燃え代の設計を行うことで、壁と天井を露出させつつ準耐火建築物を実現しているのが特徴。これによってデザイン性を高め、他の商業ビルとの差別化を図っています。
また、CLTは多摩産材を使って地産地消を実現。3階は太陽光発電によるゼロエネルギーフロアとするなど、環境に配慮した建築物になっています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2019年5月 |
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延床面積 | 102/77m2 |
構造 | 鉄骨造(CLT利用) |
使用したCLT | 25.3m3 |
防耐火構造 | 準耐火建築物 |
CLTパネルを利用したファーストフード店の建築事例です。同規模の店舗は鉄骨造が一般的ですが、CLTパネル工法を取り入れているのがポイント。壁とひさしにCLTパネルを採用しています。CLTは現しになっており、木の温もりが感じられる空間に仕上げられています。
こちらの店舗は、CLT工法を採用することで10日以上の工期短縮を実現しています。一般的な鉄骨造の場合、同規模の建築物の工期は約14日です。一方でCLTパネル工法を採用した同店舗は、4日の工期で済んでいます。建方終了後、すぐに仕上げ作業へと移行できることが工期短縮に寄与しています。
当計画の建築コストは20万円/坪と、鉄骨造(17万円/坪)に比べて割高でした。しかし、今後CLTパネル工法が普及することで、施工費用も低下していく可能性があります。
参照元:日本住宅・木材技術センター公式ページ[pdf](https://www.howtec.or.jp/files/libs/4062/202203301330482711.pdf)
【基本情報】
竣工(予定日) | 2017年2月 |
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延床面積 | 161.11m2 |
構造 | CLTパネル工法 |
使用したCLT | 23m3 |
防耐火構造 | 記載なし |
参照元:日本住宅・木材技術センター公式ページ[pdf](https://www.howtec.or.jp/files/libs/4062/202203301330482711.pdf)
引用元:Hafnium architects公式ページ
(http://www.hafnium.jp/2020/11/04/くりばやし整骨院/)
店舗併用住宅の建築事例です。1階を整骨院、2階を住宅として利用しています。CLTは2階床の水平構面に取り入れられています。CLTをプラットフォームとして組み込んだことにより、2階部分の飛び出した構造を実現。また、CLTの接合には長ビスを使用し、コストと作業性の向上を目指しています。さらに2階部分の床は大引きを取り入れて二重構造とし、遮音性を高めています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 2022年2月 |
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延床面積 | 122.34m2 |
構造 | 木造 |
使用したCLT | 記載なし |
防耐火構造 | 記載なし |
引用元:ハルタ建築設計事務所公式ページ
(https://haluta-architect.com/event/906/)
CLT工法に断熱材のストーンウールを組み合わせたオフィスの建築事例です。建物は3階建てで、CLTにストーンウールを組み合わせた建築物としては、日本初の事例とのことです。
一般的なオフィスとは違い、インパクトある独特のデザインが目を引きます。建物の外壁は木材が多用されており、木目をそのまま現しとしているのがポイントです。一方で屋根や床、窓ガラスのサッシに至るまで、木材をふんだんに取り入れています。バルコニーも特徴的で、建物から跳ね出す計上になっています。
参照元:ハルタ建築設計事務所(https://haluta-architect.com/event/906/)
【基本情報】
竣工(予定日) | 2023年7月 |
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延床面積 | 不明 |
構造 | 不明 |
使用したCLT | 不明 |
防耐火構造 | 不明 |
引用元:エーディー・アンドシー公式ページ
(https://www.adandc.jp/works/世田谷区上馬5丁目プロジェクト/)
狭小地に建てられた木造建築の事例です。CLT建築の新工法が採用されており、空間に柱を1本も配置していないのが特徴。また、木材に鉄骨パネルを組み合わせることで、ハイブリッドなファザードデザインに仕上げられています。
一方、内装は木目がそのまま活用されており、ナチュラルで温かみある雰囲気になっています。2階部分のバルコニーも同様で、床から壁、天井まで木材が多用されています。
【基本情報】
竣工(予定日) | 不明 |
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延床面積 | 不明 |
構造 | 不明 |
使用したCLT | 不明 |
防耐火構造 | 不明 |
CLT木材を店舗で活用するなら、設計から対応している業者を探すことが重要です。CLT木材は普及が進んでいるものの、設計に対応した業者は決して多いといえません。業者を選ぶ際は、自社の希望をしっかりと伝え、見積もりを取ったうえで選びましょう。
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