こちらの記事では、床材に使用できるCLTについてまとめています。中高層建築物にCLT床を用いた事例に加えて、「CLT36」と呼ばれる素材についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
東京都千代田区にある、8階建てのオフィスビルにて、CLTを床構造体として使用した事例があります。こちらの事例で注目すべきは、CLTと鉄骨の接合方法です。こちらの事例では、工場であらかじめ所定のサイズに裁断したCLTを鉄骨に乗せるという方法をとっています。一定の間隔でCLTの表面にラグスクリューのビスを打ち付けて、そこにトップコンクリートを打設します。このビスが、CLTが横にずれるのを防ぐ役割を果たすため、位置の固定ができます。
こちらのオフィスビルは、密集市街地においてCLTを採用した構想非住宅建物のモデルケースとして、国土交通省「H30年度サスティナブル建築物等先導事業」に採択されています。
また、10階建ての中高層木造建築物に対してCLTを採用した事例もあります。こちらの事例は、宮城県仙台市に建てられた建築物となっており、2時間耐火のCLT床が採用されています。
この2時間耐火のCLT床は、耐火性能を確保するために下面に強化石膏ボードが使用されており、上面にはSLプラスターが採用されています。さらに、CLT床の上にコンクリートを組み合わせて重量床衝撃音の低減・抑制を行っています。
また鉄骨造の耐震要素として、CLTを鉄骨造架構内での耐震壁として使用している点も特徴のひとつとなっています。
CLTの中で注目しておきたいものとして、「CLT36」と呼ばれる素材があります。薄くて軽いなどの特徴を持つCLT36についてまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
床材に使用できるCLTの一例として、「CLT36」があります。CLT36は、JAS認定工場で製造されている素材であり、全てのラミナ(挽き板)について強度・含水率を1枚ずつ検査し、基準を満たしていることを確認してます。このことから、公共物件や非住宅物件においても構造材として使用可能です。
このように、CLT36は品質・強度などの基準を満たした素材であり、その大きな特徴は薄さと軽さ。一般的に厚物が多いCLTの中で、CLT36の厚さは36mmと非常に薄いことから、人の手でも持ち運びが可能です。この点から施工性がよく、コストパフォーマンスの高さなどもポイントです。
さらに、CLT36は木造軸組工法でも使用できることから汎用性が高い点も大きな特徴。建築設計者や施工者などにもなじみやすい素材といえるでしょう。
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