S造とは鉄骨造のことです。梁や柱などの骨組みに鉄骨を用いますが、軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分かれそれぞれ性質が異なる部分もあります。ここではS造のメリット・デメリットを紹介しつつCLT工法との違いを明らかにします。
部材が工場で生産されるため品質のバラツキが少なく安定しています。軽量鉄骨は重量鉄骨より軽く大量生産がしやすいのが特徴。また組み立てに高度な技術を必要としないため工期が短くなり人件費削減につながります。
CLT木材も同様に工場で生産され、無垢材のようなバラツキがないので安定した品質で、工期短縮につながる点も共通しています。鉄骨は梁や柱に用いられますが、CLTはパネル材として床や壁材として活用されます。
重量鉄骨は特に強度が高く耐震性や耐久性に優れています。軽量鉄骨は軽量であることと一定の強度確保の両立が可能となっています。さらに軸組・筋交いで補強することで耐震性を高めることが可能です。
CLT木材も厚パネル材として強度があるため耐震壁として利用されます。面で支える構造を実現するため、強固で地震に強い特徴を持ちます。木造建築はメンテナンスをしっかり行えば長持ちで耐久性も確保できます。
強度があり使用する柱や梁の本数を少なくできるため、間口を広くしたり開放感のある間取りにするなど設計や空間デザインの自由度が高くなります。部材が少なくなれば建築コストの削減にもつながります。
CLT木材も面材のパネルを組み合わせる工法なのでデザイン性の高い建築物に柔軟に対応できるのがメリットの一つとなっています。加工がしやすく強度もあるため、S造との親和性も高いと言えます。
音や熱が伝わりやすくコンクリートのような断熱性も持たないので居住性が悪くなる可能性があります。生活音が響いたり、夏は暑く冬は寒くなるためエアコンの効きも悪くなりがち。燃えることはないですが火災で高温になると強度が低くなります。
CLT木材も遮音性が低くなるため床や天井に対策が必要になります。木材なので火災時には燃える可能性がありますが、鉄骨のように熱により強度が著しく低くなることはないため、イメージするほど耐火性は低くありません。
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