現在、中・大規模木造建築が見直されています。世界的なSDGsの流れの中で環境保全や資源のサステナブル実現のために建築物の木造化が貢献できるからです。ここではSDGsに寄与する木造建築とCLT木材の活用について解説します。
近年、世界的にSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を企業が意識するようになってきました。建築業界も例外ではなく、中・大規模建築物の木造化は地球温暖化防止と森林保護の立場からSDGsに大きく寄与すると考えられます。
SDGsの17の目標の中の一つに「15 陸の豊かさも守ろう」があります。CO2の全排出量のうち約3分の1が建築関連と言われますが、木材は大気中のCO2を固定し建築物の解体後も再利用可能です。
中・大規模の木造建築が進めば、適度な木材の伐採と使用により森林の持続的な管理が行われるようになりそれがSDGs貢献につながるというわけです。
CLT木材の活用は中・大規模木造建築でSDGsの目標を達成するのに適しています。CLT木材は耐震・耐久性が高く災害に強い建築物が増えることで「11 住み続けられるまちづくりを」に深く関わることになるからです。
また解体後に他の建材に再利用できることはCO2削減だけでなく「12 つくる責任つかう責任」にもつながります。コンクリートの壁・床に代わる強度を持ちながらパネル状で再利用しやすいためCLT木材を活用する建築会社も増えています。
大手ゼネコンもSDGsを意識しCLT木材を採用する動きがあります。その一部を以下に紹介します。
木造ハイブリッド高層マンション「泉区高森2丁目プロジェクト・PARK WOOD 高森」では耐火性の高い「燃エンウッド」の柱に加え、床材と耐震壁としてCLT大判パネルを採用しています。
中層集合住宅「茶屋ヶ坂アパート建替工事」に耐火建築向けハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド」と木質耐火部材「スリム耐火ウッド」を採用。耐震壁にCLTパネルを利用しています。
建築業界ではSDGsを意識して中・大規模木造建築や木造ハイブリッドマンションの建設を進めています。耐火性・耐震性を強化するため独自工法の開発も進められていますが、その中で強度が高く耐火性もあるCLT木材が採用されています。CLT木材は国が積極的に普及を進めているため、今後SDGsの流れとともにこのトレンドは継続すると考えられます。
目的と用途に合わせて選ぶ
おすすめ
CLT木材製造メーカーをチェック
木材のみ購入したいなら
設計から依頼したいなら