建築物の遮音性は、構造や工法、使用する建築資材などによって大きく変わります。もし建築物にCLTを導入する場合、しっかりと遮音性能を高めることが求められます。ここでは、CLTの遮音性や、JISで最高の遮音等級を達成した事例について解説します。
木造建築物は軽量で、遮音性能がお世辞にも高いとはいえません。CLTも同様で、建築物の躯体の重量が軽く、床にコンクリートを使用するRC造と比べ、衝撃音が響きやすくなっています。防音・遮音対策は必須ともいえるでしょう。
軽量というCLTのメリットと遮音性を両立させるには、建築物の構造の工夫が求められます。例えば集合住宅の場合、寝室の上層に騒音が発生しやすいリビングや廊下を配置しないなど。建築物全体の構造や間取りを統一し、音が響きにくいようにする必要があります。
また、遮音性能が高い床材の採用も候補に入ります。例えば、クッションフロアやカーペットは衝撃を緩和するため、足音や物を落とした時の落下音の低減が期待できます。
他にも、遮音性の高い扉の採用や、壁に吸音材を取り入れるなど、CLTの遮音性を高める手段は多数あります。建築物に合った対策を取り入れましょう。
音への対策や配慮が欠かせないCLTですが、CLT壁でJIS最高の遮音等級を達成したケースもあります。達成したのは大手ゼネコンの熊谷組で、90mmと150mmのCLTを用いた遮音実験を実施したそうです。
参照元:木造CLT壁でJIS最高の遮音等級を達成:熊谷組(https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2018/pr_180702_1.html)
熊谷組では、今後中大規模の木造建築物の需要が高まると考えており、壁にCLTを用いることを想定しています。しかし、集合住宅などで壁にCLTを用いた場合、高水準の遮音性が求められるなど、技術面で大きなハードルがありました。
そこで集合住宅などの壁にCLTを採用できるよう、遮音性能を確保するための技術開発や基礎実験を実施。2018年7月にJIS最高の遮音等級を達成したことが報告されました。
熊谷組が開発したCLT壁は、遮音効果を高める石膏ボードや遮音シートなどを組み合わせ、壁全体の遮音性能を高めています。また、ふかし壁には比重が異なる材料を積層させ、低音域における共鳴の透過を低減させています。このような仕様を一般的なCLTに取り入れることで、JISの空気音遮断性能の最高等級であるRr-60を達成しています。
参照元:木造CLT壁でJIS最高の遮音等級を達成:熊谷組(https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2018/pr_180702_1.html)
なお、この実験ではCLT壁単体の遮音性能が確かめられたのみです。熊谷組では、床や梁の収まりも遮音性能の確保が必要と考えており、CLT遮音床などの開発や、壁の空気音遮断性能における大臣認定の取得を目指すとしています。
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