こちらでは、木材に関する知識を深めるのに役立つ、さまざまな情報を紹介しています。木材の価格推移や針葉樹・広葉樹の違い、反りや収縮などの特性、保管の仕方、そして木くずの処理をどうすべきか、といったテーマをピックアップしました。
新型コロナウイルスが流行していたとき、リモートワーク人口が増えたため、アメリカを中心に住宅需要も増加しました。それに2021年のウッドショックが加わり、木材不足が深刻な状態となりました。その結果、輸入材の価格が上昇し、国産材もその影響をまぬがれることはできず、2022年以降になっても、建設業界はダメージを受け続けている状態が続いています。
木材の性質について表現する際には「重い・軽い」「硬い・柔らかい」などの言葉がよく使用されます。そして、これらの性質の違いは、それぞれの樹木がもつ細胞・組織の構造によるものです。より理解を深めるためには、まずはわかりやすい針葉樹と広葉樹の違いについて把握してみるとよいでしょう。ちなみに、一般的には、広葉樹は針葉樹よりも「重くて硬い」種類の樹木が多いです。
木材は湿度や温度、荷重などの影響を受けやすい素材です。そのため、環境・条件の変化により、反りや収縮が生じます。基本的には、木材は湿度が高い環境下では湿気を吸うため、膨張しやすくなります。反対に、乾燥している環境下では湿気が吐き出されるので、縮みやすくなるわけです。また、収縮を繰り返すうちに、反りが生じてきます。
保管する際にもっとも大切なのは、適した湿度になるよう管理しやすい場所を選ぶことです。というのも、湿度が高いと木材は膨張してしまいますし、その反対に、乾燥しすぎる環境では、収縮してしまうからです。
また、通気性の良さを維持することも大切です。通気性が低いと、どうしてもカビが発生しやすくなります。とはいえ、通気性を良くしようとするあまり、害虫やネズミなどが侵入してしまうような状態になることのないよう気をつけることも重要です
リサイクルの対象となる産業廃棄物のひとつであるため、一部のリサイクル不可能な木くず以外は、おもに次のような方法で処理されます。
木材には白太や赤身といった部位があります。丸太を輪切りにした時、外側にあるのが白太、中心部分にあたるのが赤身です。これらには色味や木目、硬度や密度などの違いがあるため、特徴に合わせて使い分けると良いでしょう。
木表と木裏は、木材の表面をあらわす言葉です。それぞれ特性や見た目、収縮率が異なるため、作るものに合わせて適した面を選べるよう知識を身に着けておきましょう。また、具体的な利用例もチェックしておけば、使い分けやすくなります。
先のコロナ禍に起こった世界中の木材が高騰し、運輸が停滞する「ウッドショック」。日本の建築メーカーやビルダーなど業界全体に大きな打撃を与えました。現在落ち着いていると言われるウッドショックですが、今後も起こる可能性はあるのでしょうか。ウッドショックが起こった原因と理由、現在の動向を詳しくまとめました。
2021年に改正された木材利用促進法。正式名称は「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」です。制定当初は日本の天然資源の活用による地域経済の活性化が目的でしたが、現在ではカーボンニュートラル実現や木材自給率の向上など複数の目的のもとに実施されています。
建築木材を保護する塗装には、大きく分けて「塗膜型塗装」と「浸透型塗装」の2タイプがあります。それぞれの仕上がりや効果が異なるため、木材の使用箇所や目的に合わせて使い分けられるのが一般的です。見た目の違いだけではありません。メンテナンス方法にも違いがあり、知っておくと住宅のメンテナンス時に役立ちます。
FSC認証とは、適正に管理された森林から産出された木材に与えられる、国際基準の厳しい審査のもとに認証されるラベルです。FSC認証の木材を選ぶと、企業はSDGsへの取り組みや環境に配慮する姿勢をアピールできる、また、エシカル消費につながることから、事業所にも消費者にとってもメリットがあります。ただし、一般的な木材と比べてコストが高くなる、納期が長くなる一面もあり慎重な検討が大切です。
PEFCとは、1999年にヨーロッパ地域で発足した国際的な森林認証制度です。世界各国の認証制度との相互承認を行う国際的な認証組織として活動しており、現在では日本のSGECも相互認証として認められています。PEFC認証マークのついた製品は、製品の原料が持続可能な森林管理のもとで生産されていることを示します。
CoC認証とは、適切に管理された森林であることを示す「FM認証」を取得した森林から産出された木材を用いて生産された製品が、適切に管理・加工・流通を経ていることを証明する制度です。FM認証製品の所有権を持つすべての事業体が対象となっており、伐採から加工、製造、流通、小売まで、製品に関わるすべての業者がCoC認証を受けることができます。
「どこでどのような方法で製造されたのか」という情報を確認できる木材のトレーサビリティは、農産物の場合と同様、消費者にとっては大切な安心材料のひとつとなります。トレーサビリティ運用のためのガイドラインを設けている県もあります。
木質バイオマスとひとくちにいっても、その種類は「未利用間伐材」「製材工場等残材」「建設発生木材」の3種類に分けられます。これらの内、未利用間伐材については、1年間でかなりの量が発生するにもかかわらず、そのまま残置されているという問題があります。
加工済みの木材を現場で組み立てるため、短い工期で仕上げることができます。人件費もおさえやすくなります。また、安定した品質を届けられるところも注目ポイントです。このようにメリットの多いプレカット工法ではありますが、デメリットもゼロではないため、あらかじめ確認しておきましょう。
乾燥工程を終えた木材の含水率や強度を測定し、その木材の品質をきちんと表示できるようにすることを、グレーティングといいます。測定結果は木材に印字されたり、印字のかわりに、木口にロット番号が記載されたりする場合もあります。
木材には、害虫が寄生している可能性があります。害虫は木の内部を食害したり卵を産みつけたりするため、かなり大きな害を及ぼす可能性も。そこのため、熱処理などの消毒方法でしっかりと駆除しておく必要が生じるのです。
木材に熱や圧力を加えて圧縮することで、圧縮木材ができます。針葉樹を圧縮木材にすることで、細胞密度が低いことによる硬度の弱さを改善。その結果、安定性や耐水性の向上などのほかにも、さまざまなメリットがあります。
CNC(コンピュータ数値制御)とは、コンピュータによって精密な加工を行う技術です。木材加工においてもCNCが活用されており、高い精度と効率を実現しています。自動化された機械は、設計図通りに木材をカットや成形し、品質の均一化と作業の効率化に貢献します。
地域材の利用には多くのメリットがあります。まず、輸送距離が短いためCO2排出量の削減が期待でき、地域経済の活性化にもつながります。
また、地域固有の風土に適した木材を使用することで、建物の耐久性や断熱性が向上します。しかし、デメリットとしては、供給量が限られているため、大規模プロジェクトでは調達が難しい場合があります。
日本建設業連合会は、サスティナブル建築を地球、地域、生活の3つの視点から定義し、CO2削減や再生可能エネルギーの利用、地域の伝統や文化への配慮、住環境の安全性・快適性を重視しています。
また、オーガニックコットンやリサイクル素材などのサステナブル素材が使用され、持続可能な社会の実現に向けて動いています。さらに、CLT(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)は、工期短縮や耐震性、断熱性などの特長を持ち、今後の普及が期待される素材です。
木材が変色する原因の紫外線、塗料、風化などが木材にどのように影響するかを説明し、無垢材やCLTを含む木材の特徴的な変色メカニズムを紹介。さらに、変色を防ぐための具体的な方法やメンテナンスの重要性についても触れています。木材の風合いを長く楽しむために、適切なケアのポイントを押さえることができます。
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