木材を選ぶとき、FSC認証と記載された商品を目にすることがありますが、どのような意味があるのでしょうか。このページでは、FSC認証の基礎知識やFSC認証の木材を選ぶメリットを解説していますので、木材選びの参考にしてみてください。
FSC認証とは、森林保護を目的とした認証マークです。適正に管理された森林から産出された木材につくラベルであり、ドイツに本部を置く国際的な森林認証組織「FSC(Forest Stewardship Council)」から承認されたFSCジャパンが日本産の木材を認定しています。
木材がFSC認証を取得するのは、簡単なことではありあせん。FSCが国際的に定められた10の原則と70の基準、200~300もの指標を守る必要があり、審査を経て基準をクリアしてはじめて認定されます。
認証をクリアした木材を「FSC認証」、FSC認証を受けた木材を原料に作られた紙を「FSC認証紙」といいます。
FSC認証の木材を選ぶことによって、以下のようなメリットを得られます。
FSC認証の木材を使用することで、環境への配慮やSDGsの取り組みに貢献していることにつながります。FSC認証の木材は、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利などを守りながら生産された製品です。環境破壊に加担するリスクを減らすことができるため、事業者として環境に配慮する姿勢や取り組みをアピールすることもできます。
木材だけではありません。FSC認証紙を使用していることを会社案内やCSR報告書、パンフレットの印刷用紙などにラベル表示するだけでも、環境配慮への取り組みを行っていることをステークホルダーに知らせることができます。
SDGsへの取り組みを企業のブランディングとして活用するために、FSC認証の木材やFSC認証紙、FSC認証製品を積極的に使用する企業が増えてきています。
FSC認証の木材を取り扱うことは、消費者へのアピールとしても有効です。人や社会、地域・環境に配慮した消費行動「エシカル消費」の促進につながるためです。
昨今の消費者は社会課題を考慮した製品を選ぶ意識が高く、森林環境、ひいては地球環境に配慮された製品に高い関心を示しています。「消費者としてできること」として会社がFSC認証木材を使用していることを掲げれば、消費者から選んでもらえる可能性を高めることにもつながります。
FSC認証を取得するにはコストがかかるため、どうしても商品価格が高くなります。消費者の予算やニーズに沿わず、選ばれない可能性もゼロではありません。
また、FSC認証を取得するために必要な素材を手配していると、通常よりも納期が長くなる可能性があります。FSC認証の木材を選ぶ際には、これらのデメリットを考慮した上で検討しなくてはなりません。
FSC認証に高い関心を示しているのは、企業や消費者だけではありません。
静岡県浜松市は、天竜地域で生産された木材の地産地消や地域活性化、地方創生に向けて「浜松地域FSC・CLT利活用推進協議会」を設立しました。浜松市が主体となり官民連携でFSCやCLTの普及に努めています。FSC認証木材やCLTは、環境保全だけでなく地域活性化や地方創生の可能性も秘めていると分かります。
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