こちらでは、木材の熱処理を解説しています。木材に寄生する害虫についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
木材には、病害虫と呼ばれる虫が寄生している場合があります。病害虫は、森林資源に深刻なダメージをもたらす可能性があります。そのため、消毒を行う必要があるのですが、その方法のひとつとして挙げられるのが、熱処理です。
消毒方法については、国際基準が定められています。2003年から多くの国々が導入をスタートしている「国際貿易における木製梱包材規制のための指針」という基準です。熱処理による消毒を行う際には、加熱施設において、木材の中心部分の温度が56度以上の状態になるようにして、30分間以上続けるよう定められています。
消毒のための処理方法には、熱処理のほかに、燻製処理もあります。燻製処理は、パレットに寄生している害虫を熱処理や薬剤処理などにより駆除する方法です。木材梱包材は、製材後に加工が施されていないケースが多いため、マツノザイセンチュウなどの病害虫が寄生している可能性が高くなっています。
木材に寄生する害虫には、さまざまな種類があります。それぞれの虫の特徴のほか、木材に与える被害について説明していきます。
ヒラタキクイムシは、ヒラタキクイムシ類に属する害虫で、ラワンやナラなどに寄生します。体長は4~8ミリのものが多く、体の色は赤褐色です。
5月あるいは6月頃になると、1~2ミリの小さい穴をあけて、ラワンやナラなどの広葉樹の木材から成虫がでてきます。その際、木粉の微粉末が排出されて積もっていくため、下に小さな山ができます。なお、ナラヒラタキクイムシやアラゲヒラタキクイムシ、アフリカヒラタキクイムシなど、同じ種類に属する虫は、計7種類います。
ナガシンクイムシは、ニホンタケナガシンクイなどが属する害虫の種類です。タケ・スギ・ケヤキ・ナラ・ヒノキなどに寄生します。種類により差がありますが、体長は3~10ミリのものが多いです。
さまざまな木に寄生しますが、なかでも、竹への食害が目立ちます。4月~7月に穴をあけ、木粉を排出しながら飛び出してきます。なお、ニホンタケナガシンクイのほかに、チビタケナガシンクイやフタトゲナガシンクイ、オオナガシンクイも同じ種類に属する虫です。
シバンムシは、オオナガシバンムシなどが属する害虫の種類です。マツ・ヒノキ・クス・ケヤキ・トドマツ・エゾマツ・カラマツ・クロマツ・アカマツ・イグサなどに寄生します。種類により差がありますが、体長は1.7~7ミリ程度のものが多いです。
目立たない部分に被害をおよぼし、しかも被害の進行が遅いため、穴をあけるときに生じる木粉が少ないので、発見が遅れてしまう場合が多いです。気づいたときには、内部がスカスカになっていることも珍しくありません。なお、マツザイシバンムシやクロノコヒゲシバンムシなど、同じ種類に属する虫は8種類います。
カミキリムシは、ヒメスギカミキリなどが属する害虫の種類です。マツ・ケヤキ・タケ・スギ・ヒノキ・サワラなどに寄生します。体長は6~27ミリほどのものが多いです。
丸太の心材部まで被害が達します。穴の大きさは直径7~8ミリです。丸太が建材に加工された後、さらに数年を経てから飛び出してくる場合もあります。なお、スギカミキリやイエカミキリ、ベニカミキリほか、同種の虫が計8種類います。
ゾウムシは、オオゾウオムシなどが属する害虫の種類です。アカマツ・スギ・ヒノキ・サクラ・モミ・トドマツ・エゾマツ・クリ・ナラ・ニレなどに寄生します。体長は12~30ミリくらいのものが多いです。長い口吻があるのが特徴です。
木に空ける穴の大きさが、だんだんと変化していきます。最初は小さいですが、最終的には5ミリ~10ミリほどになります。オオゾウムシのほか、コササコクゾウムシ、ササコクゾウ、カミヤササコクゾウも、ゾウムシ類に属する虫です。
タマムシは、クロタマムシなどが属する害虫の種類です。針葉樹の枯れ木に寄生しますが、クロホシタマムシは、クリ材やナラ材に寄生します。体長は11~22ミリです。金属光沢のある銅色をしています。
樹皮下を幅ひろく食害していくのが特徴です。そのため、タマムシが寄生しているかどうかを、表面から判断することはできません。クロタマムシ・ウバタマムシ・マスダクロホシタマムシ・クロホシタマムシの計4種類が、タマムシ類に属しています。
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