建築木材を保護する塗料には種類があり、特性や仕上がり具合、塗装に向いている場所に違いがあります。
このページでは、木材に使われる塗料の種類とそれぞれの特徴について詳しく解説しています。
建築木材を保護する塗料は、大きく「造膜型塗料」と「浸透型塗料」の2タイプに分かれます。各タイプの塗料の特徴は以下の通りです。
木材表面に塗膜をつくるタイプの塗料で、代表例にペンキと呼ばれる油性調合ペイントがあります。造膜型塗料は、合成樹脂が主成分の合成樹脂塗料と漆やカシューなどが原料の天然樹脂塗料に大類されます。
木の表面に塗膜をつくるため、仕上がりは塗膜の質感になりツヤが出るほか、ツヤの調整も行えます。主な仕上がりは以下の通り。着色仕上げは、木目を活かして半透明に着色することも可能です。
木材の保護力は主成分によって異なりますが、浸透型塗料に比べて耐水性や耐久性が強くなります。
破風や鼻隠し、軒天など雨風や日差しの影響を受けやすい場所に適しています。また、木製のドアや家具、フローリング材をコーティングする際にも使用されます。
塗膜が木材の伸縮に対応できないと、ワレやふくれ、はがれなどの塗膜劣化を起こします。
特に、クリアー仕上げは紫外線に弱いため、こまめなメンテナンスが必要です。メンテナンスの際には下地処理段階で劣化塗膜を剥離する作業が伴うため、浸透型塗料に比べて手間がかかります。
表面に塗膜をつくらず、木材内部に浸透させるタイプの塗料です。浸透性塗料とも呼ばれます。
表面に塗膜が形成されないため、さわったときに木の質感が残ります。主な仕上げは木目を活かす半透明仕上げとソリッド仕上げがあり、塗料を塗り重ねることによってツヤの調整も可能です。
木材に染み込むため、木材が本来持つ撥水や防腐、防カビなどの機能を発揮します。塗膜を作らないため木の調湿機能も妨げません。ただ、ある程度の撥水性や防カビ性は備えているものの、塗膜型塗料に比べて耐水性や耐久性は劣ります。
木目をそのまま活かせるため、木の風合いを失わせたくない場所への塗装に適しています。和風建築では、縁側や化粧垂木、庇の柱などでよく使用されています。
造膜タイプよりも水に弱いため、短期間でのメンテナンスが必要です。ただ、造膜型塗料に見られるはがれやふくれが起こらないため、下処理時の剥離作業が不要で塗り重ねによる作業ができます。
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