こちらでは、木材の価格推移について、木材の種類ごとに解説しています。
農林水産統計の令和5年10月の「木材流通統計調査」によると、全国のすぎ中丸太の素材価格は、その前の月と比較すると4.6%上昇し、その結果、1立方メートルあたりの価格が1万5,900円となっています。ただし、令和4年の10月と比較すると、価格は11.7%下落しています。
すぎ中丸太と同様、すぎ正角の価格推移についても、農林水産統計の木材流通統計調査の結果が公表されています。全国のすぎ正角素材価格は、令和5年10月時点では1立方メートルあたり2万2,600円です。同年9月の価格よりも0.1%安くなっています。また、令和4年10月時点の価格と比べると、価格の下落率は22.9%とかなり大きいことがわかります。
輸入価格がどのように変化しているかについては、日本銀行の企業物価指数で確認することが可能です。まずは木材・木製品・林産物についてですが、これらの2021年12月時点の価格は、前年の2020年12月と比較すると、73%もの上昇がみられます。
そして、価格が上昇しているのは合板・丸太についても同様です。木材・木製品・林産物よりは上昇幅は小さいのですが、それでも、合板が67%、そして丸太が27%、それぞれ上昇しています。そして、価格の上昇傾向は2022年以降も引き続きみられます。
では、集成材・製材についてはどうでしょうか。集積材は2021年12月に135%、そして製材は132%、それぞれ上昇しています。どちらもかなり大幅な上昇率です。ただ、翌年の2022年以降についてはピークアウトしており、価格は下落基調にあるといえます。以上のことから、今後の懸念材料として挙げられるのは、おもに次の2点だといえます。だといえます。
合板・製材・集成材の輸入価格と国内価格の推移、そして輸入価格が国内価格にどのようなかたちで影響をおよぼしているか、といった点について解説していきます。
輸入価格を2020年と比較すると、翌年2021年12月の価格は67%上昇しています。翌々年の2022年3月だと、上昇率は53%です。また、国内価格も上昇しており、2021年には31%、そして2022年には51%の上昇がみられます。これらの価格変化からわかるのは、先行していた輸入価格の上昇が、国内価格にも影響してきたということです。
ですので、輸入価格の上昇が続く現状を踏まえると、今後も国内価格にその影響がおよぶ可能性があります。
2021年12月の輸入価格は、前年2020の12月前年同月と比べると、132%上昇しています。2022年3月の上昇率は98%です。次に、国内の製材価格についてですが、こちらの上昇率は、2021年は65%、そして2022年は55%となっています。足下の輸入価格が低下基調にある一方で、国内価格の推移はほぼ横ばいが続く状況です。
以上のデータから、輸入価格が上昇していることの影響が、国内価格にも一定程度はおよんでいることがわかります。よって、輸入材と国産材、そして製材と他素材とでの代替といった動きなども、加速したであろうことが推察されます。
輸入価格を前年同月と比較すると、集成材の価格は2021年12月に147%、そして2022年3月に120%、それぞれ上昇していることがわかります。そして、国内価格の上昇率は、それぞれ164%、142%です。このデータから考えられるのは、国内材での代替が難しいという問題が、輸入価格よりも国内価格のようがより大幅に上昇したことの原因となっていたであろうことです。今後も同じような価格推移がみられるでしょう。
木材価格の推移を理解するためには、輸入価格と国内価格についてそれぞれ分析をした上で、及ぼされている影響などを確認することが大切です。また、木材とひとくちにいっても、たとえば合板と製材と集成材など、種類によって価格推移の状況は異なります。
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