CLT木材使用推進メディア ~CLTs~ » CLT木材を活用した建築物 » ビルへのCLT活用事例

ビルへのCLT活用事例

木材を活用した大型ビルが国内でどんどん竣工

国内の建設業界では脱炭素やSDGsといった世界的な動きに呼応するように、中・大規模建築物の木造化を進めています。地域活性化や環境インフラに大きく影響する業界のため課題解決に取り組む企業が増加しています。

特にゼネコンと言われる大手建設会社は木造化プロジェクトを組んで、競合他社の差別化しながら積極的に大型ビルを竣工。床や壁の一部をCLTを活用したり、純木造の高層建築物の可能性に挑戦しすでにスタートしているものもあります。

国内

タクマビル新館(研修センター)

タクマビル新館(研修センター)

引用元:日本CLT協会公式ページ
https://clta.jp/case/detail/タクマビル新館(研修センター)/

木造ハイブリッド免震建築です。鉄骨造をベースとしていますが、耐震性能を上げるためコアの鉄骨フレームにCLTを設置。木目が見えるCLTの壁を並べるように配置することで安全性と見た目の美しさを両立させました。

【基本情報】

竣工(予定日) 2020年10月
延床面積 3334.35m²
構造 鉄骨造(CLT利用)
使用したCLT 202.3m3
防耐火構造 耐火建築物

香南市庁舎

香南市庁舎

引用元:日本CLT協会公式ページ
https://clta.jp/case/detail/香南市庁舎/

高知県香南市庁舎の建物です。地上7階建てで災害が起きた場合の防災拠点としての役割も担います。耐震壁としてCLTを活用しており、CLT耐震パネルの四隅をL字金物で上下の梁に取り付けることで外力で壊れることを阻止します。

【基本情報】

竣工(予定日) 2020年2月
延床面積 7811.27m²
構造 鉄骨造(CLT利用)
使用したCLT 81m3
防耐火構造 耐火建築物

兵庫県林業会館

兵庫県林業会館

引用元:日本CLT協会公式ページ
https://clta.jp/case/detail/兵庫県林業会館/

鉄骨とCLTを組み合わせて建築された神戸市にある都市型中高層木造ビル。水平力のみを負担するCLT耐力壁にすることで耐火被覆をなくし木目が見える造りにしており、床にもCLTを活用し全体で30%程度の軽量化を実現しました。

【基本情報】

竣工(予定日) 2019年1月
延床面積 1567.1m²
構造 立面混構造(1階RC造2~4階S造CLT利用)
使用したCLT 225m3
防耐火構造 防火地域/耐火建築物

Port Plus

Port Plus

引用元:株式会社大林組公式ページ
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220520_1.html

神奈川県横浜市にある地上11階建て・高さ44mのビルです。純木造耐火建築物としては、国内最高となる高さを実現しています(2022年5月20日・大林組発の表時点)。大林組では、「これからの知を育む場」をコンセプトに、自社の次世代型研修施設として活用するとしています。

環境に配慮した施工を実現

大林組が建築したPort Plusは、合計で1,990m3の木材が使用されています。木材を多用することで、約1,652トンのCO2の固定を実現。また、材料の製作から解体までのライフサイクルにおいて、CO2排出量は鉄骨造よりも1,700トン削減されるとしています。

地上部の構造材にコンクリートを使用しないため、工事中の粉塵やホコリ、騒音などの抑制が可能で、周辺環境に配慮した施工を可能しました。建物で使用する部材は事前に工場で製作しており、これによって施工のスピードアップと工期の短縮化も実現。1フロアの施工期間を10日(鉄骨造)から7日へと短縮しつつ、高い施工品質を確保しています。

一方、木造建築の課題であるのが耐火性や耐震性です。Port Plusでは、3時間耐火を実現した構造材を使い、建物の耐火性能を高めています。耐震性は十字形の剛接合仕口ユニットなど大林組独自の技術を採用し、鉄骨造やRC造と同等の強度・剛性を確保しています。

参照元:株式会社大林組公式ページ(https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220520_1.html

髙惣木工ビル

髙惣木工ビル

引用元:株式会社シェルター公式ページ
https://shelter.inc/news/main/9115

宮城県仙台市にある木造ビルです。地上7階建て・高さ約27mで、純木造建築のビルとしては日本初となります。特筆すべき点は、木造建築で広く使われている集成材や、CLTを使用していない点です。そのため、さまざまな技術が取り入れられており、全国各地の木材を活用できる木造ビルのモデルケースといえます。外観はシンプルで、ビルの正面からは木の柱や梁が見えるようにするなど、木の風合いを活かしたデザインになっています。

参照元:株式会社シェルター公式ページ(https://shelter.inc/news/main/9115

構造部分に製材を使用

髙惣木工ビルは、主要構造部に製材の合わせ柱・梁を取り入れているのが特徴です。集成材は木造建築物の構造部分に広く使われている一方、工場数は地域差があります。製材は全国に工場が点在しており、調達しやすいのがメリット。髙惣木工ビルでは、調達しやすい製材を使用することで、木造ビルの技術・ノウハウの蓄積を目的にしています。

ビルの構造部分には、シェルターが開発したCOOL WOODを採用。国土交通大臣認定を取得しており、鉄骨造やRC造と同等の耐火性能を有しています。また、建築物の強度を確保するために、柱・梁は複数の製材を金物で接合しています。さらに接合金物工法を採用することで、建築物の耐震性も確保しています。

参照元:株式会社シェルター公式ページ(https://shelter.inc/news/main/6920

HULIC &New GINZA 8

HULIC &New GINZA 8

引用元:株式会社竹中工務店公式ページ
https://www.takenaka.co.jp/solution/needs/design/service37/index.html

銀座中央通りに建設された12階建ての木造商業施設です。細いスレンダーな外観が特徴的で、12層の木造架構を実現しています。CLTや集成材の制振壁や防振壁も取り入れるなど、さまざまな技術が使用された事例です。

井上ビル

福岡県にある事務所ビルです。地上4階建てのオフィスビルで、延床面積は1,481.06m2となっています。CLT工法が採用されており、大きな面で支える構造が特徴です。これにより、高い耐震性を確保しつつ、環境にも配慮した建築物が完成しました。

外観の格子状の木材が使われており、見る人の目を引くデザインです。一方、内装は明るい雰囲気に仕上げられています。床はもちろん、壁や天井など、随所に木材を使用しているのもポイント。木目がそのまま活かされており、リラックスできる空間が生まれています。

参照元:CLT建築事例集2021:公益財団法人日本住宅・木材技術センター[pdf](https://www.howtec.or.jp/files/libs/4062/202203301330482711.pdf

海外

STADTHAUS MURRAY GROVE

STADTHAUS MURRAY GROVE

引用元:CLT視察ツアーinヨーロッパ2015報告書:日本CLT協会:日本CLT協会[pdf]
http://clta.jp/wp-content/uploads/2015/09/CLT-Tour-2015-Report-20150614-21.pdf

ロンドンにある9階建てのCLTビルです。高層建築物ですがオーストリアから輸入されたCLTの構造体が使用され、全てをRC造にすると72週間かかるのをCLTを活用することでを49週間に短縮できた事例です。

【基本情報】

竣工(予定日) 2009年
延床面積 不明
構造 RC造(CLT利用)
使用したCLT 不明
防耐火構造 不明

ミョーストーネット(Mjostarnet)

ノルウェーにある世界一高い※18階建て木造ビルです。地産地消の願いから木材を近隣の森から持ち込み地元の工場で構造材に加工。ホテル部とアパートメント部に分かれ、エレベーターや階段のシャフト、バルコニーにCLTを使用しています。

※2019年3月現在

【基本情報】

竣工(予定日) 2019年3月
延床面積 不明
構造 不明(CLT利用)
使用したCLT 約1400m3
防耐火構造 不明

WOHNBAU WAGRAMER STRASSE

ウィーンにある都市型ハイブリッド木造7階建てビルです。防耐火の事情から1階はRC造になっており、2階から7階までは被覆されたCLTを採用しています。木造部分を強調していないため外観からはわからない構造になっています。

【基本情報】

竣工(予定日) 2013年
延床面積 不明
構造 不明(CLT利用)
使用したCLT 2,400m3
防耐火構造 不明

CLT木材を活用した建築を検討するなら

CLT木材の活用方法はさまざまありますが、国内で対応できる業者はまだ限られています。各社で対応範囲も異なりますので、設計から外注したい場合は、ワンストップで対応できる応業者を、木材のみほしい場合は製材を専門とする業者に依頼するなど相見積もりをとった上で自社に合った依頼先を見つけることが重要です。

他のCLT木材を活用した建築事例を見てみる

目的と用途に合わせて選ぶ
おすすめ
CLT木材製造メーカーをチェック

高品質・低コストを叶える
CLT木材製造・販売メーカー2選

木材のみ購入したいなら

サイプレス・スナダヤ
サイプレス・スナダヤの特徴
  • CLT⽊材の⾃社⼀貫⽣産による中間コスト削減で、低コストでの供給を実現
  • 品質の⾼いヒノキ材の販路を持っており、ヒノキCLT⽊材の価格‧品質に⾃信あり

設計から依頼したいなら

銘建工業
銘建工業の特徴
  • 3×12mの最大サイズCLT木材の製造にも対応可能
  • 設計・製造・施工までワンストップで対応できる有名建材メーカー
※日本CLT協会が発表する「CLT製造企業一覧表」に掲載される国内のJAS規格に適合するCLT木材メーカー8社の中から、年間製造能力の上位2社(2022年1月11日調査時点)を選出しました。
【PR】あらわし仕上げをしているCLT木材の建築事例を紹介!詳細はこちら pc
【PR】あらわし仕上げをしているCLT木材の建築事例を紹介!詳細はこちら sp