このページでは、木材におけるトレーサビリティについて解説しています。事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
トレーサビリティという言葉を英語でつづるとtraceabilityとなります。「trace」は「追跡する」という意味で、「ability」は「可能なこと」という意味です。したがって、これらふたつを合わせて「追跡可能な」「突き止められる」といった意味になります。木材についてトレーサビリティという場合には、例えば、その木材がどこで、そしてどのようにして製造されたのか、そのプロセスを逐一追えるものであることを意味します。
農水産物におけるトレーサビリティの方が、より身近な例として感じられるかもしれません。たとえば、スーパーマーケットなどで売られている野菜が、どの畑で、そして誰によって生産されたのかを追える場合がありますね。
高知県と埼玉県におけるトレーサビリティの取り組みを、参考事例としてピックアップしてご紹介します。
高知県では、県内産の木材のトレーサビリティに関して、ガイドラインを設けています。「高知県産木材トレーサビリティーガイドライン」の趣旨および運用は次のとおりです。
県土の84%が森林によって占められている高知県。しかも、森林の大部分が伐採時期を迎えている状態であるため、それらをできるだけ早く利用しなくてはならないという急務をかかえています。とはいえ、スピードのみを重視するわけにもいきません。
そこで、木材の生産地情報や生産履歴、つまりトレーサビリティを証明できるようにして、消費者が安心して利用できるようにするための取り組みを行っています。そして、このトレーサビリティを通じて、高知県産木材のブランド化などにつなげられるよう注力しています。
トレーサビリティの普及を推進するため、具体的な運用についてガイドラインで示しています。将来的に、品質認証・認証機関の設置・事業者の認定といった制度を拡充していくことも視野に入れています。
参照元:高知県公式HP (https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/toresa/)
埼玉県南西部に位置する西川林業地。この林業地にある西川・森の市場では、ICタグを用いて木材産地の「見える化」をおこなっています。たとえば、銘木に関しては、立木1本ずつにICタグを付けて、胸高周長・樹齢・緯度経度などの情報をPDAに登録。一般材の場合は、伐採後、山土場に運ばれたときにICタグを付けます。
また、製材時はタグが付いていると鋸の刃にダメージを与えてしまうため、一旦タグを取り外し、製材後に再度取り付けます。その上で、天然乾燥をおこない、乾いてから含水率およびヤング係数を測定し出荷する流れになります。
消費者にとってさまざまなメリットがあるトレーサビリティ。特に注目すべきメリットは次の通りです。
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