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プレカットのメリット・デメリット

このページでは、プレカット工法について、メリットとデメリットの両面を解説しています。また、プレカット加工による非住宅の建築事例も画像付きで紹介しています。プレカット工法の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

プレカットのメリット

多くの建築現場でプレカットが採用されているのは、この工法にさまざまなメリットがあるからです。特に注目すべきメリットについて、ひとつずつみていきましょう。

工期の短縮

すでに加工が済んだ木材が現場に運ばれてくるため、現場での作業量が軽減されます。大工が設計図の確認からスタートして、墨付けや切断など、手作業で進めなくてはならない工法と比較すると、工期がかなり短くなります。たとえば、1か月ほどの期間が必要であったものが、数日間で済ませられるようになるのです。

参照元:山根木材(https://www.yamane-m.co.jp/kurasu/3021/#プレカット工法のメリットとは)

自由なデザイン

プレカット工法であれば、比較的自由度の高いデザインに対応できます。そのため、見栄えのよい建物に仕上げることも可能です。たとえば、凸凹のあるデザインにも対応できます。面材のパネルを組み合わせていく手法であるため、ある程度までなら設計を自由におこなえるのです。

コスト削減

現場での作業量を減らせる工法であるため、工期が短くなることは上述のとおりです。その結果、当然人件費も抑えやすくなります。工場での加工業務にも人件費はかかりますが、大工に手作業を依頼する際に必要な費用と比べれば、かなり安い費用で加工作業をおこなうことが可能なのです。

現場のゴミを削減する

現場で加工作業をするとなると、大量のゴミが発生してしまいます。現場で出たゴミは産業廃棄物として扱う必要があるため、業者に専用の処理施設で処分してもらうよう依頼しなくてはなりません。その分の費用もかかってしまいます。

品質が安定している

手作業で木材の加工を行うには、とても高い技術が求められます。そのため、大工の腕によって建物の品質に少なくない影響が及ぼされることもあるのです。その点、プレカットであれば、ベースとなるCADデータに問題がなければ、加工ミスは起こりません。

加工した木材には工場でしっかりと品質チェックがおこなわれることを考え合わせると、安定した品質を提供できるという大きな強みが、プレカット工法にはあるわけです。

プレカットのデメリット

次のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

木材の個性を活かしきれない

木材には、それぞれ個性があります。ですから、高い技術を身に付けた大工であれば、その個性を上手に活かすことができるのです。けれども、工場の設備で加工を済ませるプレカットの場合には、そういった特色ある加工をおこなうことは不可能です。

複雑な加工ができない

あまりに複雑な加工をおこなうことは、プレカット工法では不可能です。プレカット技術も進化を続けてはいるものの、大工にしかできない加工がまだあるのです。

職人の技術が継承されない

プレカット工法のように、大工の高い技術力がそれほど要求されない建築現場が増えていくと、大工技術の伝承がとぎれてしまうリスクが高まります。

プレカット加工が採用された非住宅の事例

福岡県遠賀郡にある、クラフトビール工場です。プレカット加工を採用して建設した工場の事例です。

クラフトビール工場

2階建て・131坪のクラフトビール工場です。小規模建築です。短い納期でコストをおさえています。
折板屋根になっているので、登り梁+大梁を使用し、小屋組みはすっきりと仕上げています。

CLTも非住宅に活用できる

手作業ではなく工場内の設備を使っておこなわれる加工であるにもかかわらず、比較的自由度の高いデザインにも対応できるプレカット工法。現場業務も減らせるため、工期短縮や人件費削減にもつながります。さらに、品質のムラがなくなることも、プレカット工法を採用するか否かで迷っている方の背中を押す要素となるでしょう。

ただし、木材の個性を活かした職人の高度な加工技術をほどこすことができないところなど、デメリットもあるので、あらかじめ確認しておくことが大切です。

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