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木材に関する技術

木材の新たな利用方法と素材開発

木材は、伝統的な建築材料や家具製造の素材として長い歴史を持っていますが、近年ではその用途がさらに多様化し、イノベーションが進んでいます。その一例が、木材由来の素材の開発です。セルロースナノファイバー(CNF)は、その代表的な成果として挙げられます。この素材は、木材から抽出されたセルロースをナノスケールまで微細化したもので、軽量ながらも鋼鉄の5倍の強度を持つとされます。この特性により、自動車部品や建築資材、包装材料、さらには医療分野におけるバイオ素材としての応用が期待されています。

また、木材の粉末を原料とした「木質塗料」も注目されています。この塗料は、断熱性が高く、建物の外装や屋根に使用することでエネルギー効率を高める効果が得られます。さらに、このような技術は森林資源の有効利用を促進し、林業の収益向上にも寄与しています。木材の新しい利用方法は、産業全体の可能性を広げるだけでなく、環境への負荷を軽減する持続可能な選択肢としても注目されています。

木材廃棄物のリサイクルと再利用

木材技術の進化において重要なテーマの一つが、廃棄物のリサイクルと再利用です。木材産業や建築現場から出る廃材をただ廃棄するのではなく、新しい価値を生み出す取り組みが進んでいます。その一例が、木材廃材を利用したリサイクルコンクリートの開発です。この技術では、廃材を粉砕し、他の材料と混合した上で圧縮成形することで、新たな建材として再利用することが可能です。このプロセスにより、廃棄物を削減するとともに、耐久性のある建築材料を生み出すことができます。

さらに、木材を化学的に分解して成分を抽出する技術も注目されています。特に、セルロースやリグニン、ヘミセルロースといった成分は、それぞれバイオマスエネルギーやバイオプラスチック、化学製品の原料として利用されています。

木材の食品分野への新たな挑戦

木材の意外な活用法として、食品分野での応用が挙げられます。食用木粉パウダーは、木材を微粉砕し、加工したもので、食物繊維が豊富に含まれています。この技術を用いて開発された製品には、木粉を原料としたお茶「おがっティー」や、木のパウンドケーキなどがあります。これらの食品は、健康志向の消費者に向けた新たな選択肢を提供するだけでなく、間伐材の有効活用を図ることができます。

間伐材は通常、利用価値が低いとされ、廃棄されることが多いですが、食用として再利用する技術は林業の収益改善にもつながります。また、こうした食品は、地域特産品としての価値を高め、観光産業や地元経済の活性化にもつながる可能性を秘めています。

持続可能性を支える木材技術の未来

木材技術は、環境負荷を軽減し、持続可能な社会を構築するための重要な手段として位置付けられています。木材は再生可能な資源であり、それを活かした技術は脱炭素社会の実現に不可欠です。木材由来のバイオプラスチックの開発や、廃材を燃料として活用するバイオマスエネルギー生成技術は、その具体例です。これらの技術は、石油由来の資源を代替し、温室効果ガスの排出削減を図る手段として期待されています。

さらに、木材の成長過程で吸収される二酸化炭素は、伐採後も固定化され続けます。この性質を活用することで、木材製品は炭素貯蔵庫としての役割を果たすことができます。森林管理と木材技術の融合により、持続可能な林業と環境保全が同時に実現される未来が期待されています。

国際的な事例と木材技術の展望

木材技術の進展は、日本国内だけでなく、世界各国でも見られます。特に北欧諸国では、木材を利用した高層建築が普及しており、その軽量性と耐久性を活かした新しい建築技術が発展しています。また、北米では木材廃材を活用した環境に優しい建材の開発が進んでおり、地震や災害に強い構造を実現しています。

このような国際的な事例を参考にしながら、日本の木材技術もさらなる進化を遂げる可能性があります。地域ごとの特性に応じた技術開発や、産業間連携を進めることで、木材技術の新たな可能性が切り開かれるでしょう。

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