建築物の耐震性や耐久性に影響する壁倍率。CLTを建築物に取り入れる際は、壁倍率に注意する必要があります。ここでは、CLTで高い壁倍率を実現したパネルや建築事例のほか、CLTの耐久性について解説します。
CLTを使い、5.0倍の壁倍率を実現しているのがMNパネルです。MNパネルは厚さ60mmのCLTパネルで、国土交通大臣の認定を取得しています。住宅はもちろん、非住宅にも対応しており、気軽に取り入れられるのがメリット。軽量で構造計算が不要なため、設計・施工のハードル低下に寄与します。
MNパネルはスギを使用しており、美しい木目を楽しむことが可能です。木目はそのまま現しとして取り入れられるため、施工の手間を省きつつ、室内側の化粧板に利用できるのも特徴といえます。
参照元:なかむら建設公式ページ(https://nakamurakensetu.jp/mnpanel/)
鳥取県では、協同組合レングスが開発したCLTパネルが壁倍率3.3倍を実現しています。このCLTパネルは鳥取県産のスギが使用されており、国土交通大臣の認定を取得しています。現しで使用できるのが特徴で、施工時には外側から釘を打つため、内側は美しい木目を楽しむことが可能です。これによって建物の耐久性を確保しつつ、高いデザイン性を実現できます。
なお、同年には鳥取県林業試験場が開発したスギの厚板耐力壁も壁倍率2.2倍を実現し、国交大臣の認定を取得しています。
参照元:鳥取県公式ページ(https://www.pref.tottori.lg.jp/271181.htm)
鳥取県では、2018年に県産スギのCLTを使用した木材環境研究棟をオープンしています。県産材の利活用に関する研究や、技術実証などを目的とした施設で、実大試験機を始め、さまざまな設備を備えています。また、県産材を使用した製品や、建築技術に関する展示も有しています。鳥取県では、県内にあるとっとり林業技術センターと合わせ、木材の利用に関する総合拠点としての活用を目指しています。
木造建築物は耐久性が低いと思われがちですが、CLTは地震に強く、高い耐久性を備えています。2015年にE-ディフェンスを用いたCLTパネルの構造性能検証試験では、阪神淡路大震災より大きな加力にも耐えることが実証されました。そのため、CLTを用いた建築物も鉄骨造やコンクリート造と同等の安全性を確保できます。
また、適切にメンテナンスすることで長持ちするのも特徴です。日本の古い建築物は木材で作られていますが、中には数百年間使われ続けている建築物もあります。CLTを用いた建築物においても、適切な施工と維持管理を行えば、長期間使用することが可能です。
参照元:[PDF]日本CLT協会公式ページ(https://clta.jp/wp-content/uploads/2019/01/CLT_pamphlet_mihiraki.pdf)
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