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木材のハイブリッド構造

木材と鉄骨を組み合わせたハイブリッド構造は、環境に配慮しながら高い強度と耐震性を実現するための新しい建築技術です。

特にCLT(直交集成板)を用いた建築物は、木材の特性を活かしつつ、都市部でも利用可能な耐火性と高いデザイン性を提供します。

CLTを使用したハイブリッド構造の事例

現在、CLTを使用したハイブリッド構造の建築物が多数建設中です。以下にいくつかの具体例を紹介します。

兵庫県林業会館

竹中工務店が手掛けた「兵庫県林業会館」は、CLTと鉄骨のハイブリッド構造を採用した事例です。CLT耐震壁と鉄骨の柱・梁フレームを組み合わせることで、木材の強度を効率的に引き出し、超高層建築物にも適用可能な耐震性能を実現しました。

また、火災時には鉄骨のみで建物を支えることで、木材の現し利用が困難だった都市部でもCLTの使用を可能にしています。これにより大スパンが可能となり、多様な用途の建物に適用できる点も大きな特徴です。

仙台梅田寮

大林組が2023年に宮城県仙台市に建設した「仙台梅田寮」は、木造ハイブリッド構造の社員寮です。この建物では、国産スギ材とカラマツ材を使用し、約540tのCO2を固定することでカーボンニュートラルに貢献しています。

また、「CLTユニット工法」を開発し、工場で製作されたCLTユニットを現場で迅速に組み立てることで、施工手間の削減と高品質な仕上がりを実現しました。この工法により、鉄骨造と比較して約1.5ヵ月の工期短縮を達成し、今後も木材利用の普及を図っています。

奥村組の社員寮

奥村組が手掛けた社員寮「仙台梅田寮」では、木造ハイブリッド構造が採用されています。この建物は、仙台の地域特性を活かし、国産スギ材とカラマツ材を大量に使用しています。建設にあたっては、CLTユニット工法が用いられ、あらかじめ工場で製作されたCLTユニットを現場で組み立てることで、施工の効率化と品質向上を図られました。

この取り組みは、木材の利用促進と低炭素社会の実現に寄与し、木造建築の新しい可能性を示しています。

フレンシア青葉台

相互住宅株式会社が開発した賃貸マンション「フレンシア青葉台」は、木造ハイブリッド構造を採用し、2024年1月に竣工しました。この建物では、国産CLTと神奈川県産の杉板を使用し、約27.2m3の木材を利用しています。これにより、約15.3tのCO2を固定化し、SDGsへの貢献を目指しています。

また、住戸内には「WOOD-BOX」という天然木で仕上げたスペースを設け、居住者が木のぬくもりを感じられる環境を提供しています。青葉台駅から徒歩2分という好立地に位置し、利便性と快適性を兼ね備えた新しい住まいの形を提案しています。

このように、CLTを用いたハイブリッド構造は、環境負荷の低減と高い耐震性能を両立させることで、持続可能な建築物の実現に寄与しています。各事例からも分かるように、都市部での利用が進む中で、木材の新しい可能性が広がっています。

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