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CLT・LVL・NLT・DLTの違い

CLTは直交集成板と呼び替えると理解しやすいですが、その他にもアルファベットのみで性質がわかりにくい木質材料があります。そこで代表的なCLT、LVL、NLT、DLTの違いや得意とする用途についてまとめました。

CLT・LVL・NLT・DLTの違いを表している画像
特徴 CLT LVL NLT DLT
構造 ひき板を繊維方向が直交するように積層接着 単板(2~4mmの薄板)を繊維方向に平行に積層接着 ひき板をアルミ製の釘でつなぎ合わせる 木ダボで接合された積層材
別名 直交集成板 単板積層材 釘接合集成板 -
主な用途 壁、柱、多目的 柱、梁(細長い部材) 床、屋根、壁(耐力面材) 大規模木造建造物、マスティンバー
メリット
  • 建築デザインの自由度が高い
  • 効率的な施工(工期短縮可能)
  • 用途が広い
  • 大きさが自由に作れる
  • 生産性が高い
  • 接合力が高く強固
  • 設備投資が抑えられる
  • 自由な形状表現が可能
  • 環境負荷が低い
  • 単純な工程で生産可能
  • デザイン性、吸音性の向上が可能
デメリット コストが高め 加工性が低い 釘が後々の加工に影響する NLTより強度が落ちる
特記事項 国が導入を推進 製造工程の自動化 接着剤不使用 接着剤・釘不使用

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木材メーカーの専務に訊いてみた

ヒノキを中心に製材、集成材の製造販売を行っている

サイプレススナダヤの砂田雄太郎さんに

CTLとLVLの違いや使い分けの仕方について聞いてみました。

建築物の木材選びの参考にしてください。

Q1CLTとLVLで悩んでいる人は何を基準に選ぶのをおすすめされますか?

大きな面(壁や床)を作りたい場合はCLTを検討してみてください。

柱や梁など、細長い部材が必要な場合はLVLが向いています。

そして、建物の構造全体を考えて、

パネル工法ならCLT、軸組工法ならLVLという基準で選ぶのがいいでしょう。

CLTとLVLの最大の違いは、簡単に言うと「面材」「軸材」かということなんです。

簡単に言うと、CLTは大きな板みたいなもので、

LVLは長い棒みたいなものだと思ってください。

CLTは、幅が広くて長い板を作れるんです。

日本だと、厚さは最大で27cm程度、幅は3m程度、長さは12m程度のものが作れます。

だから、大きな壁や床を一枚の板で作れるんですよ。

LVLは幅を広くするのは難しいんですが、厚みのある長い棒を作れます。

日本では厚さ60cm程度、幅1.2m程度、長さ12m程度のものが作れます。

だから、柱や梁に向いています

どちらを選べばいいかは、建物の構造をどう考えるかで変わってきます。

面で構造を考えるパネル工法を使うなら、CLTの方が有利になるかもしれません。

逆に、柱と梁で骨組みを作る軸組工法を考えているなら、

LVLの方が向いているでしょうね。

両方使いパターンもあります。

例えば、柱などの縦方向にはLVLを使って、

床や屋根などの横方向にはCLTを使うという方法もあるんです。

これは両方の良いところを組み合わせた方法で、混構造と呼んでいます。

Q2特にCLTを進めたい人はどのような場合でございますか?

CLTは住宅の様な一般的な小規模建築物から、

大規模な建築物まで様々な建築物に利用可能です。

その中でも特に大規模な建築物に利用する際に最もCLTの特長を生かせると考えています。

主に二つのタイプの方々におすすめです。

  1. これまでコンクリート構造で大規模建築物を計画していた事業主の方々。
  2. ESG(環境配慮、社会貢献、企業統治)投資を重視する事業主の方々。

CLTを用いる大きなメリットの一つは工期短縮です。

CLTを含む木材製品は「乾式工法」と呼ばれる方法で使用されます。

これは、製品が完全に乾燥した状態で現場に搬入されるので、

すぐに次の工程に進めるんです。

一方、コンクリートの場合は、鉄筋を敷設し、型枠を設置し、

コンクリートを打設した後、乾燥して硬化するまで待たなければなりません。

その間、次の作業に進めないんですよ。

また、CLTは幅広で長く、比較的厚い断面を作れるという特徴があります。

これにより、従来の軸組工法と比べると材料使用量は多くなりますが、

その分、炭素固定量も多くなります。

03CLT導入コスト軽減のための補助金について教えてください

CLTの導入を支援するための補助金や助成金には、大きく分けて2種類あります。

  • 国が支援してくれるもの
  • 地方自治体(県や市町村)が支援してくれるもの

国の支援制度の代表的なものとしては、

林野庁の補助事業である「JAS構造材実証支援事業」があります。

国の支援制度は非常に注目度が高いんです。

そのため、予算額に対して応募が早々に一杯になってしまうことがあります。

補助事業への応募を希望する方は、最新の情報を随時チェックする必要がありますね。

地方自治体の支援制度は、各自治体によってさまざまです。

統一された情報源がないので、地元の「木材協会」などに個別に確認することをお勧めします。

国の支援制度と地方自治体の支援制度を二重に受給できるケースもあります。

ただし、注意が必要です。どちらか一方しか受給できない制度もあるんです。

ですので、両方の支援を期待している方は、

事前に十分支援制度の内容を確認することをお勧めします。

CLTの導入には初期コストがかかりますが、こういった支援制度をうまく活用することで、

より多くの方々にCLTを使っていただけると思います。

工期の短縮につながる
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会社名:サイプレス・スナダヤ

引用元:サイプレス・スナダヤ公式HP(https://www.sunadaya.co.jp/)

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