日本では主に寒冷地帯に分布するカラマツ。戦後の拡大造林中に植林されましたが建材としての利用はあまり知られていません。そこでカラマツの木材としての特徴やCLT木材として活用した場合の品質などを解説します。
海抜高が1000~2000メートルの地域に分布し、日本では主に北海道、東北地方、長野県などの寒冷地で積極的に植林されました。マツ科でスギよりも硬く針葉樹ですが、秋には紅葉し落葉するため落葉針葉樹と呼ばれます。
心材は褐色で大木になると色が濃くなります。辺材は黄白色で肌目は粗いのが特徴。ねじれながら成長するため木材にすると乾燥時に割れや狂いが生じやすく、主に杭木や枕木などに使われましたが、近年は建材にも利用されています。
カラマツは日本の針葉樹で唯一の落葉樹であり、人工林としてはスギ、ヒノキに続いて3番目に多く植林されている木です。特に長野県では造林面積の半分をカラマツが占めており、カラマツといえば信州カラマツというイメージが定着しています。カラマツは寒冷地系の針葉樹としては成長が速く、木材強度に優れているのが特徴。日本の代表的な建材であるスギ材よりも高い硬度を有しています。
実際に信州カラマツで建築された台湾の博物館では、建築後に大きな地震に見舞われたものの、博物館に被害はなかったとのことです。
木材資源としての需要を見込んで盛んに植林されていたカラマツですが、割れや狂いが出やすいという性質から、日の目を見ない時代が長く続きました。けれど、加工・乾燥技術の進歩により、カラマツの木材資源としての魅力が見直されてきています。
カラマツの主な用途は合板ですが、梱包材やガードレール、集成材、単板積層材LVL、構造用パネルCLTなど幅広い用途で使用されるように。大規模建築材として使われるようになったことで、カラマツの価格も向上しています。
近年、木目がくっきりとしていて飴色のカラマツは木材としての価値が見直され、フローリングに用いると独特の風合い・風格が楽しめます。以前から樹齢が高い天然木は「天カラ」と呼ばれ神社仏閣にも用いられました。
硬く丈夫で耐久性、耐湿性に優れており、乾燥技術の向上により割れなどの弱点を改善できるようになり需要が高まっています。また30年ほどで伐採が可能であるため、循環型林業のモデルとして注目を集めています。
CLTに使用することでカラマツ材は大規模な建築材としての利用が可能になりました。カラマツを使用した建物は景観の邪魔をせずに溶け込み、経年劣化を味わいとする木造建築物に適しています。
北海道のしりうち地域産業担い手センターはカラマツCLT壁パネルと集成材を組み合わせたCLTパネル工法で建築されました。また地方独立行政法人の道総研では、割れを克服し道産カラマツCLTの試験的作製に成功しています。
石川県で文化・教育施設の施工を得意とするCLT木材・集成材メーカー。カラマツのCLT木材は厚さ90~270mmで最大1.25x6.2mまで対応します。
構造設計や施工まで対応するCLT木材メーカーです。カラマツのCLT木材は接着剤イソで厚さ90~270mm。最大3x12mのサイズ、レゾで厚さ90~270mm。最大2.6x6mのサイズに対応しています。
北海道産の木を原料とした集成材などを取扱う協同組合。カラマツのCLT木材は厚さ60~210mmで最大1.2x6.25mまで対応します。
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